\n"; ?> JVC - 小学校や村の長老と連携した環境教育 - カンボジアでの活動 - 5ヵ国での活動
カンボジアでの活動

小学校や村の長老と連携した環境教育

カンボジア事業担当 下田 寛典
2018年3月16日 更新

主な活動内容

1:村の歴史と人びとの暮らしを学ぶ

活動地の多くの村では、かつて豊かだった自然が失われ、人々の暮らしの様子も変化しています。そこで、6つの小学校の小学校6年生を対象に、村の長老に依頼し、村の名前の由来や村の歴史、かつての人びとの暮らしなどについて語ってもらいました。子どもたちは自分たちが暮らす村のかつての様子について多くの質問を積極的に投げかけ、また、教員が「村の歴史を初めて聞いた。これからの授業のなかで、子どもたちに伝えていきたい」と意欲的に話す様子もみられました。村の長老たちも子どもたちが関心を持って話を聞いてくれたことに喜びを感じており、「かつてあった村の精霊林を、子どもたちのために復活させたい」という声も聞かれ、それを聞いた教員が精霊林での植林のために、子どもたちと共にかつて村にあった樹木の苗木の生産に取り組み始めるなど、広がりをみせています。

小学校で児童に村の歴史を語る長老小学校で児童に村の歴史を語る長老
長老の話を熱心に聞く生徒たち長老の話を熱心に聞く生徒たち

2:森を訪ねる「フォレストウォーク」

森林委員会の話を熱心にメモする生徒たち森林委員会の話を熱心にメモする生徒たち

かつての村の様子を長老たちから聞いたのち、トラクターで1時間ほどかかる村の共有林での体験学習を行っています。共有林は、有志住民による森林管理委員会が保護活動を行っていますが、現在も違法な伐採などで森林が減少し続けています。子どもたちはこうした現状について実際に自分の目で森を見ながら学ぶとともに、森林管理委員会のメンバーから森の豊かさや森にある様々な植物の活用方法について学びを深めています。そして、自分たちが住んでいる村も、かつてはこのような森に覆われていたことについて、具体的に想像することができるようになっています。森では草木の名前や利用方法などについて、大人たちが驚くほど、関心を持ち様々な質問投げかける児童がみられました。また、森林管理委員会のメンバーからは、「森の大切さを子どもたちに知ってもらう良い機会だった」という喜びの声が聞かれており、こうした取り組みは、「次の世代に森を残そう」という地域の人びとのモチベーションにもつながるものと期待できます。

教員も熱心に森林委員会の知識に耳を傾ける。奥の男性が森林委員会のメンバー教員も熱心に森林委員会の知識に耳を傾ける。奥の男性が森林委員会のメンバー
生徒たちは自分の身体で森を体験しながら、自然資源についての知識を深める生徒たちは自分の身体で森を体験しながら、自然資源についての知識を深める

3:森林再生活動

活動1、2を終えた後に各小学校では植林用の苗木づくりに取り組んでいます。木や森の役割を認識したうえで、雨季のはじめ(6~7 月ごろ)に植林活動を行い、森林再生に向けた取り組みを実施しています。植林活動は学校と地域の住民が協力して行い、地域の活性化にもつなげています。

植えるのを楽しみにしていた、と真っ先に苗木をとりに着た生徒たち植えるのを楽しみにしていた、と真っ先に苗木をとりに来た生徒たち
皆で協力しながら苗木を植えていく皆で協力しながら苗木を植えていく
村の歴史を長老から学び、森を歩く体験学習を経て、皆で行う植林活動までが、現在のJVCの環境教育プログラムとなっている村の歴史を長老から学び、森を歩く体験学習を経て、皆で行う植林活動までが、現在のJVCの環境教育プログラムとなっている
「大きく育てたい」と抱負を語ってくれた生徒たち「大きく育てたい」と抱負を語ってくれた生徒たち

参加者の声

ロン・チョンパーちゃん(右)、リエム・スレイヤットちゃん(左)ロン・チョンパーちゃん(右)、リエム・スレイヤットちゃん(左)

「たくさんの木のことを知れて嬉しい。自分が植えた木が大きくなったら、その木の下で本を読みたい。自分の子どもができたら、子どもにもそうして欲しいです」(ロン・チョンパーちゃん)
「教室から自分が植えた木が見えると嬉しい。植えるのがとても楽しかった。はやく実を食べたい」(リエム・スレイヤットちゃん)

パエン・ツコーン先生パエン・ツコーン先生

「子どもたちが楽しく植えた木を見て、いつも嬉しく思います。木が育って校庭に木陰ができるようになれば、外で安心して遊ばせることができます。校庭には牛がよく来るので、植えた苗木を踏んだり食べたりしないように管理するのが大変ですが、なんとかやっています。学校の景観が美しくなり、また子どもたちが自然の大切さを学ぶことのできる貴重な機会なのでとても助かっています。自分自身も、自然資源について考えるようになりました」

項目 内容
実施主体 日本国際ボランティアセンター カンボジア事務所
事業名称 カンボジア農村における生業改善プロジェクト
事業概要 昨今の気候変動による農業生産の不安定さの増大から、出稼ぎを中心とした現金収入による生計へと農家の生活が変化する中で、経済的に成功を収める人とそうではない人の格差が広がっています。そこで、社会状況の変化に適切に対処できるよう、生活のための農業や食品加工、森林保護などの活動を行うことによって、農家の生活基盤が安定するよう支援します。
実施期間 2015年10月1日~2019年3月31日(3.5年間)
対象地域および
活動対象者
シェムリアップ県チークラエン郡
・対象地域の農家(10村、500世帯)
・小学校(6校、児童750名)とその近隣住民(120世帯)
・2つの共有林とその周辺住民(5村300世帯)

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