生態系に配慮した農業支援活動
主な活動内容
1:多年食用樹の栽培奨励
近年は出稼ぎに行く農家も多いことから、JVCでは女性を中心に、村に残った家族でも実践できる野菜栽培技術の紹介に努めてきました。現在は、誰でも簡単に育て増やすことができ、食用となる葉の栄養価が高い多年食用樹(チャヤ、モリンガ、アマメシバ)の普及をすすめています。かつて村ではほとんどこれらの栽培を見かけることがありませんでしたが、現在では多くの農家が栽培を始めており、「毎日食べている」という農家もみられます。
普及に際しては、楽しみながら栄養価を学び家庭での栽培につなげる試みとして、2017年度は「調理実習/料理コンテスト」を6つの村で開催しました。3種類の野菜を用いた料理の調理方法を紹介し皆で実践、試食を行いながら交流を深め、栄養価や栽培方法について学び、自宅での栽培促進につなげています。
2017年度は約150人の参加者を得ました。研修後のモニタリングでは、研修参加者の90-95%は栄養価や効能について理解を深めたほか、約7割がこれら3種類の栽培を始めたことが分かっています。このモニタリングは乾季(12-2月)におこなわれたため、雨季に入ればより多くの参加者が栽培を始めることが期待されます。
参加者の声:ソク・スーンさん
「母が研修に参加し、私にも情報を伝えてくれています。自宅ではモリンガだけを植えていましたが、JVCの研修後はチャヤも植えるようになりました。栄養価については初めて知りました。料理コンテストは色々な調理法を知れてとても面白いです」
2:農業リソースセンターの運営
野菜やコメの試験栽培やたい肥づくりを行う、農業リソースセンターを運営しています。同じ作物を異なるたい肥を使い比較栽培したり、古タイヤをプランターとして用いた野菜や香草の栽培などの実践を行っています。村では古タイヤを無料もしくは安価で入手することが可能である上、プランター栽培であるためにやせた土地でも栽培でき、乾季の乾燥や雨季の洪水などの場合でも場所を移すなどすれば比較的容易に野菜を栽培することができます。また、それぞれの農家が工夫を凝らし楽しみながら野菜や香草を栽培できる点も利点です。今後、センターで得た知見が対象村に還元されるような仕組みを作っていきます。
項目 | 内容 |
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実施主体 | 日本国際ボランティアセンター カンボジア事務所 |
事業名称 | カンボジア農村における生業改善プロジェクト |
事業概要 | 昨今の気候変動による農業生産の不安定さの増大から、出稼ぎを中心とした現金収入による生計へと農家の生活が変化する中で、経済的に成功を収める人とそうではない人の格差が広がっています。そこで、社会状況の変化に適切に対処できるよう、生活のための農業や食品加工、森林保護などの活動を行うことによって、農家の生活基盤が安定するよう支援します。 |
実施期間 | 2015年10月1日~2019年3月31日(3.5年間) |
対象地域および 活動対象者 |
シェムリアップ州チークラエン郡 ・対象地域の農家(10村、500世帯) ・小学校(6校、児童750名)とその近隣住民(120世帯) ・2つの共有林とその周辺住民(5村300世帯) |
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