今年度、JVCは、地域の拠り所である浦島小学校の周辺で仮設住宅の住民の皆さんと畑づくりを行ってきました。畑づくりを通して、仮設住宅の住民の方たちが活発な生活を送り、この活動が震災による影響を受けた浦島小学校や地域の活性化につながればと思い、実施してきました。
今年2月、笹が生い茂る土地の開墾からスタートした畑づくり。春に植えた野菜はみるみる内に成長し、7月中旬にはじゃがいもの収穫時期を迎えました。
「すごいねえ、ちょっと前まで笹が生い茂っていた所なのに、こんなに大きなじゃがいもがとれて。」と、住民の皆さんは少し驚いた様子でした。
今年の夏は厳しい暑さが続きました。住民の皆さんの負担を心配しましたが、7,8名の住民の方々が中心になり、草むしりや水やりなどを行い、熱心に世話をしてくれました。お蔭でミニトマト、ピーマン、ナス、トウモロコシなど沢山の夏野菜が収穫できました。「やっぱり、自分で作った野菜は、買ったものとは味が違うねえ。」と、収穫した野菜を仮設住宅の住民の皆さんで分け合ったり、時折JVCスタッフにも分けてくれました。
9月26日、浦島小学校で秋の収穫祭を実施し、児童や学校関係者の皆さん、仮設住宅や地域の住民の方々など30名以上が参加してくれました。
午前中、浦島小学校の家庭科室で仮設住宅や地域の住民の皆さんと一緒に畑で収穫したじゃがいもやナス、サヤインゲンを使い、カレーやサラダなどを作りました。住民の皆さんは「昔は親戚とか大勢で住んでいたから、大人数の料理の準備は慣れてるわ」と、賑やかにおしゃべりしながらも、手際が良く、あっという間に昼食の準備が完了しました。
この収穫祭は、畑づくりに協力してくれた方や日頃世話をしてくれた方への感謝を込めて行ったものです。立派な畑ができ、多くの野菜が収穫できたのも、こういった方々のお陰です。
昼食会に先立ち、畑の世話をしてくれた住民の一人が挨拶をしてくれました。「ボランティアさんたち(JVC)が頑張って開墾してくれたのでおいしい野菜を作りたかった。まさかあんなところで野菜が育つとは思わなかった。これも協力してくれた方や指導してくれた方のお陰です。」
今回の収穫祭では、児童の皆さんや参加者の方の楽しそうな姿、そして住民の皆さんの元気な姿が、浦島小学校に賑わいをもたらしました。秋を迎え、畑には住民の方々が植えてくれた大根や白菜が青々とたくましく育っています。JVCは、これからも畑づくりだけでなく、様々な形で地域の中心である浦島小学校への学校支援を続けていきます。