5月初旬、浦島小学校・仮設住宅の住民の方々とナス、かぼちゃ、ミニトマト、きゅうり、トウモロコシなどの苗づくりを行いました。講師は元農協職員の浦島小学校の用務員さん。野菜ごとの生育の違いや種の蒔き方を教わり、長年畑作業をしてきた住民の方々も「なるほど、なるほど」と新しい学びがあったようです。
種まきが終わったら、ビニールシートで作ったトンネルの中に入れておきます。トンネルの中は外気より温度が高いため、早く発芽します。発芽までの期間は種類によって異なりますが、トウモロコシやかぼちゃは発芽が早く、10日くらいで芽を出しました。仮設住宅の住民のお母さんたちも野菜の生育が気になるようで時々トンネルの中の様子を覗いていました。またJVC気仙沼事務所の大家さんからレタスの苗を分けて頂いたので畑に植えることにしました。
5月下旬には定植の時期を迎えたかぼちゃやトウモロコシ、サヤインゲン、きゅうりの苗を畑に植えました。石灰や肥料を撒き、うねを作り、マルチで覆います。ひとりでやると大変な作業も仮設住宅の住民の方々で協力してやると半日で終わってしまい、住民の方々も「大勢でやると楽しいし、あっという間だね」とおっしゃっていました。畑には先日植えたジャガイモやネギが立派に育ち、賑やかになってきました。
ところが、定植して数日たった後、事件が発生しました。トウモロコシときゅうりの苗をカモシカに食べられてしまったのです。慌てて、住民の方々、有志で手伝ってくれた千葉県の農家の方、JVCスタッフでカモシカ対策のためのネットを張ることになりました。まずは必要になる資材の調達です。住民の漁師さんから使わなくなった魚網とロープを頂き、浦島小学校の用務員さんから竹やぶの竹を分けて頂きました。雨が降りしきる中、竹を切りだし、皆さんで運び出します。竹を適当な長さに切りそろえ、竹の支柱を作り、網を張っていきます。漁師さんが慣れた手つきで竹の支柱に網を結んでいき、頑丈なカモシカ除けネットが完成しました。
6月上旬、畑にはレタスが青々と実り、収穫の時期を迎えていました。住民の方々と収穫第1号となるレタスを収穫しました。「瑞々しくておいしかったわ」と自分たちの手で作った野菜の味を楽しんだようです。これから厳しい夏がやってきます。草むしりなど手入れが必要になりますが、浦島小学校で行う秋の収穫祭に向けて住民の皆さんと協力して畑づくりを行っていきます。