スーダン日記
JVCを応援してくださっている皆様こんにちは。橋本です。
先日、ハルツームは大雨が降りました。これまで何度かお湿り程度の雨は経験していて「スーダンの雨はこんなものなのね。」と甘く見ていたら大違いでした。急に空が暗くなり、なんどか光ったかと思うと、たちまち土砂降りの雨になりました。おまけに停電。次の日、事務所として使っている部屋が水浸しでした。建物の回りも池のようになっていてしばらく外に出ることができなかったくらいです。
JVCを応援してくださっている皆様こんにちは。2月からスーダン事業で現地駐在をしている橋本です。実は、JVCのサイトに登場するのは初めてではなく、3月に一度「東京事務所スタッフ日記」で紹介して頂いています。これからなるべく多くのスーダンの日常を、橋本目線でお伝えしていけたらと思います。よろしくお願いいたします。
乾季も半ばにさしかかり、いよいよ暑くなってきた2月。南コルドファン州、カドグリの郊外に私たちが100戸の避難民向け住居を建設して、半年が経とうとしています。
(前回から続く)
日本人がオクラを食べることを話すと、たいていのスーダン人は少し驚きます。トマトやニンジン、キュウリなどと違ってオクラには「スーダンの食べ物」というイメージを持っているからでしょう。調べてみるとオクラの原産地はアフリカ北東部。まさにこのあたりがオクラの「ふるさと」なのです。
(前回から続く)
雨季の晴れ間に、暑い日差しが戻ってきました。あちこちの家の裏庭で、伸び盛りのソルガム(イネ科の作物。この地方の主食)の葉が緑色に輝いています。
JVCスタッフを乗せたクルマは、カドグリ市街地を東に抜けてガルドゥッドと呼ばれる地区に入ってきました。小さな教会を過ぎて右に折れると、未舗装のガタガタ道の両脇にレンガ造りの家々が続いています。
ここは、この何十年かの間に村落部から州都カドグリに移ってきた人々によって形成された郊外の住宅地です。中心部にはモスクがありますが、教会もあるところを見ると、キリスト教徒が多い村々からやって来た人々も住んでいるのでしょう。4年前に紛争が始まってからは、同じ出身村の人びとを頼って多くの避難民が押し寄せ、この地区に吸収されました。
JVCが新しく建設した100戸の避難民用住居。その入居者は、どうやって選んだのでしょうか? カドグリ周辺には何千家族もの避難民が住んでいると言われます。100家族を選ぶのは至難のワザ、のように思われます。
(前回から続く)
今回の「現地便り」は、避難民住居100戸の着工から完成までの様子を、写真でご紹介します。
1.レンガ造り
避難民住居100戸に必要なレンガは、なんと約14万個。工事に間に合わせるため、3か月前の2015年2月には発注しました。
カドグリ周辺には、品質の良い粘土と十分な水がある場所を選んで、「カミーナ」と呼ばれるレンガ製造場が散在しています。何か所かのカミーナが手分けして私たちのレンガ造りを行いました。
(前回から続く)
6月、カドグリに出張した私が工事現場を訪れると、現場監督のファフミさんが迎えてくれました。ファフミさんはここで毎日、10人のウスタ(大工の親方)たちの作業をチェックしています。ウスタとして長い経験を積んだ人だと聞いていますが、何年くらいやっているのでしょうか。
「もう、50年になるかな」
「ご、50年ですか?」
これには驚きました。いったい何歳?50歳代くらいに見えますが。
「子どもの時からやっているぞ」
なるほど。大人の手伝いで働き始めた時から数えて50年程度ということなのですね。それにしても、とんでもないキャリアです。
「このあたりは地盤がゆるいから家を建てる時は気を付けなきゃならん。でも、十分な基礎工事をしたから心配することはない」
2年前に建設された230戸の避難民住居の南側と東側を取り巻くように今回の100戸は建設されます。ここは東側に向かって土地がわずかに傾斜しており、すぐ先は雨季には川が流れる低地になっています。つまり、前回の230戸よりも今回の100戸の敷地は低い場所にあり、恐らく地盤も柔らかいのでしょう。
「基礎工事はもう終わって、みんなレンガを積み始めている。ちょっと歩いて見てみるか」