\n"; ?> JVC - マンガテン国内避難民キャンプでの聞き取り - 南スーダン日記

マンガテン国内避難民キャンプでの聞き取り

人道支援/平和構築グループマネージャー(南スーダン緊急支援担当) 今井 高樹
2017年12月 6日 æ›´æ–°

11月23日から南スーダンのジュバに入り、国内避難民キャンプへの支援や聞き取りなどを行っています。現地の状況や活動について、これから何回かに分けてレポートをお届けしていきます。

今回は前回から続き、滞在3日目と5日目の活動をお伝えします。(4日目は日曜で休日)

3日目:11月25日(土)

  • マンガテン国内避難民キャンプ①へ

今回の活動予定地であるマンガテン国内避難民キャンプは、数百メートル離れたふたつの敷地内に、キャンプ①とキャンプ②があります。今日はまず、キャンプ①を訪れました。

前回より空き地が減ってテントの数が増えたように見えます。新しいテントのために木材で骨組みを組んでいるのも見かけます。

キャンプリーダーのピーターさんが不在のため、副リーダーのマリカンさんに会い、訪問の目的を説明します。前回8月に支援した鍋や蚊帳について、いくつかのテントを訪問して実際に使われていることを確認したいのと、今回予定している子どもたちへの支援に関連して学校の様子などを尋ねたいと話すと、キャンプ内の小学校の先生3人を連れてきてくれました。
キャンプ内の小学校は、DMI(Daughters of Mary Immaculate)という教会系人道支援団体が設立したもので、「DMI小学校」と呼ばれています。
小学校の概要は以前の訪問時にも聞いていましたが、あらためて以下のことが分かりました。

・DMI小学校には幼稚園が1クラス、小学校が1~3年までの3クラスで合計4クラス(教室)あり、児童は220名。幼稚園に約70人、あとは各クラス50人程度。

・キャンプ内から外の小学校に通う子どもも一定数いるが、外の学校は年間の授業料が12,000SSP(約60ドル)くらいと高額。DMI小学校では授業料は無料。

・DMIは、教材については児童1名にノート1冊を配布しているのみ。

・12月15日に学年が終了し、1月15日に再開する。新学期からは、4年生クラスと5年生クラスが開かれる予定。

このあと、マリカンさん、先生たちと一緒に五つのテントを訪問しました。
6名の母親に、8月に配布した物資(鍋、蚊帳、石鹸)の確認のほか、子どもの就学状況について聞いていきました。

配布物資については、3種類の物資を全部受け取ったと答えた母親世帯が半分。部屋に吊るされた蚊帳、そして炊事場から鍋を持ってきて見せてもらいました。一方で、配布当日にキャンプを留守にしていて鍋だけ受け取った人や、今年になって新しくキャンプに来たために配布対象の名簿に名前がなく受け取れなかった人、そして、同じテントに複数家族が住んでいる場合に、全部の家族には配布されていないケースもありました。

キャンプ①に住むマリー・ニャンゴックさんと、JVCから受け取った鍋キャンプ①に住むマリー・ニャンゴックさんと、JVCから受け取った鍋

子どもの就学率は思った以上に高く、訪問した世帯では大半の子どもが学校に通っていました。これは、学費無料のDMI小学校の存在が大きいと思います。
ただ、ノートや鉛筆などの学用品は、家族が購入しなくてはなりません。現金収入がほとんどない母親たちに、これは難しい注文です。
「子どもからノート買ってくれと言われて、でもお金がないから、紙きれを何枚か探し出して子どもに渡すしかなかった」
とこぼす母親もいました。

小学校の先生たちに聞いても、
「多くの子どもたちは、ノートも何も持たずに学校にやってくる。これでは勉強できない。親に買ってもらうように言うが、避難民家族にそれは難しい。仕方なく、教室では教師が紙を配ってノート代わりに子どもに使わせたりしている」

訪問したテントには、キャンプの外にある一般の公立小学校に子どもを通わせている母親もいました。そうした場合、学費も払わなくてはなりません。自分たちではまかなえないので、親戚に頼んで送金してもらったりしているとのことでした。

今回、私たちはキャンプの子どもたちにノートなどの学用品を支援する予定です。

帰り際、キャンプ内の木陰で若者たちが集まって、話し合いをしているのを見かけました。呼び止められて話をすると、キャンプのユースの集まりとのこと。
私たちの活動の話をしていると、彼らから「支援の一環として、ぜひ女子生徒に生理用品を支援してくれないか」と要望されました。生理用品がないために、女性生徒が学校を休む、行かなくなる、というケースが多いそうです。
こうした要望は、なかなか当の本人たちからは出てきにくいものだと思いますが、それがユース(基本的に若年男性の集まり)から出てくるところが少し意外で、でも興味深いところです。この要望は、考慮する必要があると感じました。

  • 医薬品の価格見積もり
  • グンボ診療所から受け取った医薬品リストに基づいて、3件の医薬品卸業者から単価の見積もりを入手しました。これに基づいて、レモ医師と相談して数量を検討することになります。

5日目:11月27日(月)

※4日目は休日のため、5日目になります。

  • グンボ避難民キャンプでイベント'16days of activism'に参加

国連/NGOが世界的に行っている11月下旬~12月上旬の16日間のキャンペーンのキックオフイベントに参加しました。テーマは「Stop Gender Based Violence」。

開催地は、ジュバ市内から見てナイル川の対岸にあるグンボ避難民キャンプで、ここでは、日本紛争予防センター(JCCP)さんが継続的な支援活動を行っていらっしゃいます。そして、2016年9月にJVCが食料支援をした場所でもあります。
今回のイベントもJCCPさんが中心になって準備されたもので、グンボのほか、ジュバ周辺の他の2か所のキャンプからも避難民たちがバスに乗ってやってきて、イベントに参加していました。

イベントの様子イベントの様子

伝統ダンスあり、歌あり、演劇あり、となかなか楽しいイベントで、特に、Gender Based Violenceをテーマにした学生たちによる演劇は、なかなかの観応えがありました。

  • 学用品の価格調査

イベントを抜けて、コニョコニョ市場周辺で、学用品(ノート、ペン、学用カバンなど)の価格を調査しました。この価格をもとに、支援品目や支援対象となる児童数などを調整していきます。

その日、ホテルに戻ると、携帯会社からSMSが。いつものような宣伝広告かと思ったら、そうではありません。

「Stop gender based violence. Real men don't beat women」

携帯会社も、国連/NGOのキャンペーンに協賛しているようです。

次回のレポートでは、マンガテン国内避難民キャンプ②への訪問とグンボ診療所での医薬品支援の様子をお伝えします。

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