11月23日から南スーダンのジュバに入り、国内避難民キャンプへの支援や聞き取りなどを行っています。現地の状況や活動について、これから何回かに分けてレポートをお届けしていきます。
2017年11~12月南スーダン現地レポート の記事一覧
更新日 | タイトル |
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2017年12月 5日 更新 | 1:今も支援を必要としている人々がいます |
2017年12月 6日 更新 | 2:マンガテン国内避難民キャンプでの聞き取り |
2017年12月 8日 更新 | 3:グンボ診療所へマラリア治療薬などの医薬品を支援 |
2017年12月14日 更新 | 4:マンガテン国内避難民キャンプ、テントでの生活 |
2018年2月28日 更新 | 5:キャンプの女性たちとの話し合い |
2018年3月 6日 更新 | 6:子どもたちに教育を 学用品の支援(完) |
1日目:11月23日(木)
- ジュバ着
- 滞在中の活動予定
飛行機を降りると、入国手続きのカウンターのあたりまで空港職員でもない地元の若い男性たちが入り込んできて、もみくちゃにされます。外国人と見れば声をかけているようで、私にも「お前の手荷物は何個だ?オレが探して受け取ってきてやる」と言い寄ってきて、手荷物の引換証を奪い取ろうとします。目的は「手数料」をせしめることです。以前にも増してアグレッシブ。少しでも現金を得るため、みな必死です。
なんとか空港から外に出て、迎えに来たクルマで市内へ。今年7月以来、4か月ぶりのジュバです。市内の様子は、見たところ特に変わっていません。
まずは、以前JVCが車両整備研修事業をおこなっていた南スーダン教会評議会(SSCC)整備工場へ。現在、JVC南スーダン事務所のスペースを工場内に借りています。
「物価ばかり上がって、もう、研修生の昼食用の豆も買えないよ」
整備士研修は今も続いていますが、会計担当のドゥドゥさんはそうこぼしています。
「おかずがないと、昼食にはならないんだけど・・」
主食用のメイズやコメを買うだけで、予算がなくなってしまうそうです。
物価は倍々ゲームで上がり、人々の日々の生活を直撃しています。最も影響を受けるのは、定職に付くことのできない人びと。そして、避難民の多くがそうであるように、母親と子どもだけの家庭。女性たちは洗濯などの家事手伝い、市場での食器洗いなどの仕事を探しますが、日雇い仕事の賃金相場は150南スーダンポンド程度(現在の為替レートは1ドル=190南スーダンポンド)。これでは、主食用のトウモロコシ粉がカップ1杯買えるだけです。家族の1日の食費にもなりません。
JVCの現地調整員、ナカング・クリスティンと、今回の今井滞在中の予定について打ち合わせを行いました。
<医薬品支援>
ナイル川東岸のグンボ地区では、多くの国内避難民がキャンプの内外で生活しています。この地域の診療所に対して、昨年11月に約3か月分の医薬品支援を行いました。今年7月に再訪したところ、その後、政府からも他の援助団体からも医薬品の提供は受けておらず、医薬品不足の状況は変わっていません。今回、継続してこの診療所への支援を行う予定です。
<就学支援>
これが今回出張時のメインの活動になります。
ジュバの郊外、マンガテン国内避難民キャンプは、ふたつのキャンプ(キャンプ①とキャンプ②)に、合わせて600世帯が住んでいます。JVCは今年4月に食料支援、8月に生活物資支援を実施しました。
これまでの活動を通じて、キャンプには学校に通っていない子ども、あるいは通っていても学用品がなく学べない子どもが多くいることが分かりました。今回はキャンプ内で、就学児・未就学児への学用品の支援を行う予定です。
<女性の生計向上支援>
同じくマンガテン国内避難民キャンプで、今年から来年にかけて計画している新しい活動です。
物資配布ではなく、避難民女性たちがどうやれば少しでも現金収入を得ることができるのか、自活することができるのか、それを女性たちと話し合い、必要な支援を行う予定です。今回、まずは話し合いの場を持つことから始めます。
クリスティンの意見として、収入向上・生計向上活動の可能性として、家庭菜園での野菜栽培、揚げパンなどお菓子を作って市場で販売といったことのほか、路上喫茶(ジュバでは多くの女性が従事)、裁縫、などが挙げられました。まずは、キャンプの女性たちと話をして、「これだったらできる」「既にやっている」という具体的なアイデアを彼女たちから出してもらうのが、第一段階です。
2日目:11月24(日)
- カリタス・ジュバ教区事務所訪問
- グンボ診療所
これまで、私たちはカリタス・ジュバ教区事務所と協力して診療所支援などを行ってきました。
カリタスは、ジュバ周辺のいくつもの診療所を支援しています。今回、私たちがグンボ診療所への医薬品支援を計画していることを伝えると、「それはよい」と言って、医薬品の引き渡しの際には立ち会ってくれることになりました。
ナイル川を渡って対岸のグンボ地区へ。橋を渡ってしばらく走ると診療所があります。
多くの患者さんたちが待っていて今日も忙しそうでしたが、診察の合間を縫ってレモ医師が会ってくれました。
「待っていたよ」
私の顔を見るなりそう言われました。
「ウチの患者たちからも、あの外国人は、あの団体は次にいつ来るんだ?と何度も聞かれたよ」
私たちが前回支援した医薬品は、今年のはじめには全部消費されています。それ以降、保健省から解熱・鎮痛剤40箱が送られてきましたが「たった1日でなくなった」とのこと。それ以外は、医薬品の支援は受けていないそうです。
診療所の受診者は1日200人前後。この数は、昨年11月に来た時と変わっていません。
診察室の前では、「赤ん坊の熱が昨晩から下がらない」「3人の子ども全員がマラリアにかかった」という母親たちが、順番を待っていました。診療所について話を聞かせてもらうと、
「何か月か前まで、ここの診療所にも少しは薬があったのに。今はほとんど何もない」
「受付カードを受け取って待っている間に、他の患者から『今日は薬がないよ』と言われて、診察も受けずに家に帰ったこともあった」
「ここで紙(処方箋)だけもらったって、薬局の薬は高くてとても買えない」
「グンボ地域には他にも診療所はあるが、そこは医薬品が有料。あとは、川を渡ってジュバ市内に行けば公立診療所があって無償で薬がもらえるかも知れないが、バス代がかかるし、行くのは無理」
薬局で薬を買えば、何百ポンド(南スーダンポンド)もかかります。薬によっては千ポンド以上にもなります。日雇いの仕事で150ポンド程度しか稼げない状況の中で、手が出ない値段です。
レモ医師から、診療所で必要な医薬品のリストを受け取りました。それをもとに、ジュバ市内の医薬品卸売店3か所で見積もりを取ることにしました。
自衛隊が撤収してから報道される機会がぐっと少なくなった南スーダンですが、支援が必要である状況は、依然として解決していません。
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次回のレポートでは、マンガテン避難民キャンプ①への訪問の様子をお伝えします。
2017年11~12月南スーダン現地レポート の記事一覧
更新日 | タイトル |
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2017年12月 5日 更新 | 1:今も支援を必要としている人々がいます |
2017年12月 6日 更新 | 2:マンガテン国内避難民キャンプでの聞き取り |
2017年12月 8日 更新 | 3:グンボ診療所へマラリア治療薬などの医薬品を支援 |
2017年12月14日 更新 | 4:マンガテン国内避難民キャンプ、テントでの生活 |
2018年2月28日 更新 | 5:キャンプの女性たちとの話し合い |
2018年3月 6日 更新 | 6:子どもたちに教育を 学用品の支援(完) |
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