外部環境に影響される不安定な生活基盤/「エイズ」という新たな差別
アパルトヘイト時代に築かれた「出稼ぎ社会」。このなかで、黒人たちの伝統的な文化・社会は破壊され、今でも出稼ぎに頼らざるを得ない社会構造が残っており、人びとは物価高騰等の外部環境に翻弄されています。
アパルトヘイトの後遺症 農業の破壊と出稼ぎ社会
アパルトヘイト下で黒人たちはホームランドといわれる黒人指定居住地へ強制移住させられ、そこで移動を制限されました。税金を課せられ現金が必要ななかで黒人たちが働けるのは白人が経営する金鉱山や大農場のみで、出稼ぎをしないと生きていけない社会構造が出来上がりました。出稼ぎに出た男性たちが年に一度家に戻れるかどうかという状況のなかで、黒人たちが行ってきた牧畜・農業が破壊され、家族が分断されるなかその他の伝統文化なども世代を超えて伝わらなくなり、黒人社会そのものが壊されました。アパルトヘイトが終わった今でも農村では生活が成り立たず都市へ出稼ぎへ行かざるを得ない社会構造が残っています。
都市部における失業率
アパルトヘイト時代に生産・生活基盤を破壊された南アフリカの黒人社会では、現在でも農村部から都市部への人口流入が続いています。しかし、黒人社会の失業率は60%にも上り、人びとは都市化に適応できているわけではありません。人びとは現金しか生活手段を持たない中で、援助動向や世界的な景気など外部環境にさらされ、翻弄されることも多く、農村よりも生活が不安定な側面もあります。
HIV/エイズという新たな差別
HIV/エイズは貧困家庭を直撃し、特に女性や子供など社会のなかでもっとも影響を受けやすい人々をさらに困難な状況に追い込みます。HIVに感染しエイズを発症すると、一家の働き手が病気になることでさらに収入がなくなり、残された家族は生活と介護の両方の負担を背負うことになります。また若い人に感染が多いことで、親を亡くす子どもも増えています。情報や支援が少ない農村部では、偏見や差別が強く、HIV陽性者が自分が感染していることを公表できる社会環境が整っていません。感染の事実を家族にすら言えず孤立しがちで、精神的にも困難な状況に追い込まれます。差別や偏見にさらされ孤立感をつのらせるHIV陽性者の中には、絶望感から症状を悪化させる人もいます。
不安定な生活基盤に新たな差別。アパルトヘイトが終わって17年が経つ今も南アフリカの状況は改善されていません。しかしいっぽうで、南アフリカでは自分たちで何とかしようという地域の人びと主体の取り組みも行われています。
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