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現地スタッフ紹介vol.2ドゥドゥさん、モーゼスさん、フィリップさん

2022年7月 7日 更新
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こんにちは!インターンの神山です!

今回は、スタッフ紹介第二弾、南アフリカ現地スタッフのドゥドゥさん、モーゼスさん、フィリップさんとのインタビューの続きです!前回の記事は こちらからご覧ください。

JVCでの仕事で気を付けていること、異なる国の人と一緒に働く中で得たことなど、とても深~いお話を伺うことができました! ドゥドゥさん、モーゼスさん、フィリップさんの熱い想いをご覧ください。

JVCにはどうして入職しようと思ったのですか?

【ドゥドゥ】最初はただ、自分や家族のために仕事をしなければいけないという理由でした。でも、JVCに入ってからは、コミュニティを支えるこの仕事が大好きになりました。また、自分の国を知る機会にもなりました。南アフリカの人はあまり旅行をしないのですが、私はJVCに入ってから、日本や南アフリカの色々な場所を訪れる機会を持てました。
そして、なによりもOVC(Orphans and Vulnerable Children:エイズ孤児とHIV/エイズによって弱い立場に置かれた子どもたち)を支えることにやりがいを感じています。全ての子どもたちに変化をもたらすことはできませんが、一人ずつに変化が起きていくと胸がいっぱいになります。

【モーゼス】私も最初は、生きていくために仕事をしなければという気持ちでした。でも、JVCに入ってからは、それまで知らなかったことにたくさん気づかされました。例えば、私は子どもたちと一緒にいるのが好きだということに気づかされました。そして、自分自身よりも子どもたちやコミュニティを大切に思うようになりました。

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ケアセンターのボランティアに向けてプレゼンをするモーゼスさん

【フィリップ】私はもともと家族のために野菜を作っていましたが、仕事はしていませんでした。でも、別の地域団体で働き始めて、農業や地域資源について学びながら、コミュニティ内の子どもたちをサポートしていました。そんな時に、JVCは通訳ができる人を探していて、それでJVCに入ることになりました。今では、子どもたちと一緒にいるのが大好きです。

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子どもたちに菜園づくりを教えるフィリップさん

(神山)最初はとにかく職に就かなければというお考えだったようですが、JVC以外に考えた選択肢はありましたか?

【ドゥドゥ】私はソーシャルワークや心理学に興味がありましたが、高校卒業後学校に通うお金がありませんでした。しかし、その時JVCがUNHCRと共同で難民や南アフリカ人のために教育プログラムを行っていて、私はそれに参加しました。また、JVCでボランティア活動も経験して、JVCのような機関で働くのもいいなと思っていました。そのため、JVCに入りました。

JVCがサポートしている子どもたちの中には、精神的な不安を抱えている子も少なくないのではと思います。そうした子どもたちとの会話で、気を付けていることはありますか?

【ドゥドゥ】とても重要なことですね。子どもと大人では考えていることが全然違うので、常に子どもたちに気を配る必要があります。子どもたちは自分の感情を言葉であまり表現しません。言葉で表現していても、行動と一致していなかったり...。なので、子どもたちをよく観察して心を読むことが最も重要です。それに加えて、子どもたちは私たちをお手本にするので、彼らの前での自身の行動にも気を付けています。

【モーゼス】他にも大切なのは、自分自身が精神的に落ち着いていない時には、子どもたちに話しかけないということです。子どもたちは私たちのことをよく見ているので、家族と喧嘩してイライラしているのかなとか、忙しいのかなというのを察知します。なので、子どもたちと話すときは、そうした自分の不機嫌さをコントロールして、心を落ち着かせることもとても重要です。
それと、子どもたちと同じ目線になって、遊びや会話を楽しむことも大切です。楽しさを分かち合うことで、子どもたちにとって何でも共有できる存在になれるように心がけています。

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コロナの影響で子どもケアセンターが閉まっていた期間も食料配布を通して子どもたちをサポートしました

日本人スタッフとのコミュニケーションで気を付けていることはありますか?

(神山)JVCの事業地の中で唯一、南アフリカ事務所には日本人スタッフが常駐していませんよね。

【ドゥドゥ】もちろん、逐一情報が共有される状態を作る必要があります。南アフリカ事業担当の渡辺さんとは、頻繁にコミュニケーションをとっています。以前は、渡辺さんも一年に何度かこちらに来ていましたが、コロナ禍になってから来れていません。でも、南アフリカでは他のアフリカの国々と比べて幸いなことにインターネットが使えるので、ZoomやSkype、Eメールを使って連絡をとっています。

(神山)文化の違いで困ることはありますか?

【ドゥドゥ】もちろんいつもありますね。渡辺さんのものの見方と私たちのものの見方は違うので、いつもそうしたことによる課題はあります。だからこそ、お互いに理解してもらえるように説明したり、理解しようとする姿勢を持つことが大切です。課題があるというのは、私たちはお互いに理解できないということではありません。課題は、解決されるためにあるのです。

(神山)それでは、違う国の人と働くことによる良い点は何だと思いますか?

【フィリップ】互いに相手が持っていないスキルを補えるところです。マネジメントの仕方が全然違いますが、互いに学んで成長していると思います。

【ドゥドゥ】あと、外の世界ではどんなことが起きているかを知ることができます。例えば、最近だとコロナに関しても、アフリカだけでなく、日本にいる人と話すことによって、より多くの情報を得られています。自分の国にいると基本的に自分の周囲で起きていることしか知らないですが、国を越えた繋がりを持つと、違う視点を知ることができて、自分の成長に繋がります。

【モーゼス】違う国の人と話すと、自分の国の良いところや良くないところに気づかされます。

【ドゥドゥ】日本では大きな問題となっていることでも、ここでは問題とされないこともあるよね(笑)こういったことを感じることができます。

(神山)異なる文化を持つ人と働くときは、試行錯誤も必要ですが、結果的にそういったことも含めて学びになりますよね。

(神山)次の質問は、私が国際協力について勉強し始めてからずっと気になっていたことなのですが...。

JVCのような、皆さんにとっては外国の団体が、自分の国の課題に取り組んでいることを知ったとき、どのように感じましたか?

【ドゥドゥ】ここでは、本当に多くの国際団体が活動しています。でも、私の経験上、他の多くの団体とJVCは全然違います。JVCは、現地の団体とパートナーになって活動していますし、コミュニティ内で一緒に暮らしています。これはとても珍しいことです。
現場で何が起きているかを知るには、現地の人々の視点が欠かせません。そして、それを知るには、日常的に彼らの中に溶け込む必要があります。そうすることによって、課題に対してどう向き合えば良いかがわかるようになるのだと思います。

ほとんどの団体が「持続可能性が重要だ」と主張しているにもかかわらず、インプットをさせるばかりです。それでは支援団体がいなくなった時に、その取り組みは終わってしまいます。外から与え続けるのではなく、現地の人々が自力で生き抜く力を得られるようにサポートしなければなりません。
ただ、こうした自主性を磨くことは簡単なことではなくて、特に南アフリカでは、黒人は白人のために働くというアパルトヘイト時代の考え方が今でも残っているため、まだ難しい状況です。でも、私はこのJVCの取り組み方が1番だと思っています。

(神山)私は、世界の社会課題を勉強する中で、その土地の課題は、そこに住む人が一番よくわかっていると思うので、異なる環境で育ってきた人が関わることに対して、現地の人はどう感じているのかなと疑問に思うことがあります。でも、日本人であること、外国の団体であること、が足かせになるのではなくて、たとえそうであっても「どうやって」向き合うかで関わる意味が変わってくるのですね。

【ドゥドゥ】そうですね。当事者に代わって外側の人が解決するのではなくて、当事者にどうやって解決できるかを教えるべきです。でも、日本でのやり方を押し付けても意味がありません。だから、結局はお互いが必要なのです。日本は、テクノロジーが発展していますが、南アフリカにも日本が学べることはたくさんあります。
それと今は、お金よりも人間力が評価される世界だと思います。「何も持っていない人たちは不幸だ」と言われますが、最終的には自国で生きるために必要なものを手に入れることができるのです。だからこの世界にとって重要なのは、お互いを頼って共に成長することを通して、皆にとって良い場所をつくることです。

(神山)貴重なお話をありがとうございます。

JVCで今後挑戦したいことはなんですか?

【ドゥドゥ】オフィスのマネジメント方法を学びたいです。日本人スタッフが常駐していなくて難しいことも多いので、もっと勉強したいです。あとは、NGOにとって必要不可欠であるファンドレイジングについても、もっと学びたいです。

【モーゼス】私は細かいことに注意深くならなければいけないなと思います。自分としては100%の自信をもって報告書を作成しても、あとから細かなミスを指摘されることがあるので...。

【フィリップ】私はPCスキルをもっと身につけたいです。

最後になりますが、この記事を読んでくださっている方にコメントをお願いします!

【ドゥドゥ】皆さん、いつもご支援ありがとうございます!JVCには、個人だけではなくて、企業や団体として支援してくださっている方々もいます。そうしたサポートのおかげで、私たちの国に変化をもたらすことができています。あと、もっと大切なのは、訪れたことがない国にいる、会ったことがない人たちのことを気遣ってくださるその愛に感謝しています。本当にありがとうございます!

【モーゼス】私も、南アフリカでの取り組みに支援してくださることに感謝したいです。支援のおかげで、これまでにたくさんのことを成し遂げてこれました。支援してくださる方がいなかったら、私たちも子どもたちをサポートすることができていませんでした。
まだ南アフリカには、サポートを必要としている子どもたちがたくさんいるので、今後ともぜひご支援をよろしくお願いします。「「(日本語で)ありがとう!」」

【フィリップ】支援者の皆さんの思いやりに感謝しています。今日も明日も、まだまだ子どもたちのために支援が必要ですので、これからもよろしくお願いします!

【ドゥドゥ】それと、JVCの東京事務所の方々にも感謝の気持ちを伝えたいです。東京事務所からのサポートはなくてはならないです。特に、南アフリカ事業担当の渡辺さんは、寛大な心で私たちに向き合ってくださっています。本当にありがとうございます!ボランティアやインターンの皆さんも、ありがとうございます!

おわりに...

二回に分けてご紹介した南アフリカ現地スタッフインタビュー、いかがだったでしょうか...?

趣味や文化について伺った時は、お三方ともユーモアを交えながら楽しそうにお話しされていましたが、子どもたちとの向き合い方や、国際機関の在り方などについてはものすごく熱く語ってくださっていた姿が、とても印象的でした。
また、支援をしている子どもたちや日本人スタッフの方との厚い信頼関係を感じて、お話を伺いながら私まで温かい気持ちになりました。

なかなか伺うことができない、現地スタッフだからこそ感じる視点、、、 とても貴重なお話でした!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!