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パレスチナでの活動

今回の緊急支援に関する最終報告

現地代表 金子 由佳
2013年6月10日 更新

昨年11月紛争直後に開始した緊急支援について、2013年4月末で支援を終了しましたのでお知らせいたします。

まず、2013年2月13日に当ホームページ中間報告でお知らせした通り、2012年12月から2013年1月にかけて、ガザ地区中部ハンユニスの小・中学校21校と、海域制限を理由にイスラエル軍から頻繁に攻撃を受けているガザ市の漁師25人に救急バッグ合計50個を配布しました。その後、2013年2月から4月にかけて、残りの50個を、ガザ地区北部に位置するベイトハヌーン、ジャバリヤ、ベイトラヒアの住民に配布しました。後半の配布活動でこれら地域を対象とした理由は、これら地域がガザ地区北部に位置し、イスラエルとの境界線付近に位置するため、常にイスラエルからの攻撃の危機にさらされており、ガザ側からの反撃もこの付近から行われることが多く、大変危険な地域となっているためです。

救急バッグの配布先救急バッグの配布先 (PDF:303kB)

事実、これら地域の被害状況は、ガザ地区を北部、ガザ市、中部、南部と4つに分けてみてみると非常に高くなっています。例えば、2006年のイスラエル軍による「夏の雨」作戦では、合計392人のガザ地区の死者数のうち47パーセント(186人)、またイスラエルによる軍事侵攻「キャストレッド」作戦では、2009年の死者数831人のうち(2008年からの総死者数を合わせると1400人)44パーセントの362人の犠牲者がこれら地域の住民でした(パレスチナ人権センター「年次レポート」2006年、2009年)。更に、今回の紛争中も全体の20パーセント近くがこれら北部地域での犠牲者であり(「GANSO隔週レポート」2012年11月17日~29日)、2012年11月21日の停戦以降も、境界線付近でのイスラエル軍による威嚇射撃により多数のけが人が出ています。

ベイトラヒアから見たイスラエル。奥に見える煙突はイスラエル領。ベイトラヒアから見たイスラエル。奥に見える煙突はイスラエル領。

これら境界線付近の住民の多くが農業従事者ですが、彼らの所有地の多くが危険地域内にあります。そのため、農作業をするために自分の畑に近付いて銃で撃たれたり、紛争中に落ちた不発弾に誤って触れてしまい怪我をしたりして、二次、三次被害が後を絶ちません。また爆弾に含まれる化学物質で汚染された農地を除染するすべもなく、収穫高も低くなり(ジャバリヤ市役所職員談、2012年12月)、厳しい生活状況に置かれています。

救急バッグを受け取った住民。救急バッグを受け取った住民。

今回の緊急支援は、救急バッグの配布を通じて、人々が救急車を待つ間、あるいは病院での治療を待つ間、個々人レベルでの応急処置を可能にし、少しでも多くの人の命を救いたいと考えた末行われました。しかし、ガザ住民が日常的に危険に晒されている状況を鑑みると、事後対応を目的とした支援に留まらず、政策提言を含めた、ガザ地区の封鎖そのものをなくすための包括的な支援が必要です。今回救急バッグ配布を行ってくれた現地パートナーNGO、パレスチナ医療救援協会のバッサム医師は、「ガザは常に緊急状態だ」と言っていました。JVCはこの言葉を心にとめて、今後もガザでの活動を続けていきたいと思っています。引き続き、皆様の応援をよろしくお願い致します。

会計報告

今回のガザ緊急支援へのご寄付総額:782,293円
支援に使用した金額:500,000円
残額はパレスチナ事業の通年で行っている活動に使用させていただきます。

ガザ地区 子どもの栄養失調予防事業について

2013年度からは、ジャバリヤ市ビルナージャで子どもの栄養失調予防事業を開始しています。

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