AEI(Ard El Insan=人間の大地)のハンユニス栄養センターの代表、ハナンとつながったのは、1月6日のお昼ごろ。攻撃が始まってから初めて、携帯電話がつながりました。エジプトとの国境近く、ラファに住む彼女は、ラファからハンユニスの親戚の家へと避難していたのです。ハナンは、まずは家族全員、そしてハンユニスセンターのスタッフが無事なことを伝えてくれて、そして空爆が始まった時の様子を教えてくれました。
「27日に攻撃が始まった時、センターには多くの子どもたちとお母さんがいたわ。いつもどおり、栄養失調の子どもたちのカウンセリングをして、栄養食を食べさせて、お母さんたちは帰る準備をしていた時だったの。センターは一瞬にしてパニック状態になった。子どもを抱えて泣き叫ぶお母さんたちの姿が忘れられないわ。遠くから来ているお母さんたちもいるから、スタッフと皆で手分けして状況を確認して、すぐに家に帰らせたわ。皆無事だといいのだけれども…」
電話中、ドーンという音が聞こえてきました。電話口でも爆撃があったことがわかります。「ラジオは、電波も攻撃の影響を受けているのかしら、よく聞こえないの。テレビも、電気が数時間だけ来た時にニュースを見ようとしたけれども、全く映らないのよ。今、そっちのテレビでは何ていっている?」と、ガザの情報をエルサレムにいる私に聞いてきます。ガザの人たちは、ガザのどこで何が起こっているのか、そしてどこに行けば安全なのかがわからない状態なのです。
「今朝からハンユニスでも激しい攻撃が始まっていて、ずっと大きな爆撃音が聞こえてくる。私の子どもたちは皆無事だけれども、もちろん“元気”とはいえない。7ヶ月になる子どもは、もうミルクがないのよ。攻撃が始まる前に、必死で探して手に入れた2缶のミルクも、もうなくなってしまうわ。私の親戚も国連による食料配布を受けていたけれども、今はとにかく危険で、食料配布なんてできない状態なのよ」
栄養センターはもちろん、27日以降閉まっています。しかし、お母さんたちからは「子どもの治療のための特別食がもうないの」「ガスがなく、食料もなく、子どもに食べさせてあげることのできるものを作ることができない」と、栄養センターを開けてもらいたいという電話がかかってくるそうです。「どうすることもできないの。センターには電気もないし、この状況でセンターを開けたら、センターに来るまでに攻撃に巻き込まれてしまう可能性もあるわ」と、辛そうな、悔しそうな声で続けました。「センターが開いた時には、JVCは出来る限りのサポートをする」と伝え、また連絡しあうことを確認しました。
UNRWA(United Nations Relied and Works Agency=国連パレスチナ難民救済事業機関)の食料配布センターは、約半分が機能できていないそうです。配布する食料が仮にあったとしても、そこまでたどり着くには危険が伴います。また、危険を覚悟で、辛うじて開いているマーケットやベーカリーに行って食料を手に入れようとする人々もいますが、そのマーケットも攻撃され、そこに居合わせた人々が犠牲になっています。地上軍が入ってきてガザが分断された今、ガザの人々は、どこにも逃げられない状態なのです。
電話を切った後、ブレーキング・ニュースで、UNRWAの学校が攻撃されたという情報が入ってきました。これにより、すぐそばにいた人々が亡くなり、負傷者も出ているとのこと。この学校には、攻撃により家を失った人々など数百人が避難生活を送っていたのです。どうして、このような場所が狙われなければならないのでしょうか。テレビのニュースは、通りで泣き叫ぶ人々、瓦礫から助け出される負傷者、頭から血を流し、病院のベッドで治療を受ける子どもなどを、24時間映しています。あまりに卑劣な行為に、怒りとやりきれなさを感じずにいられませんが、私たちは、離れていてもガザの人たちの側に立ち続けていきたいと思います。
緊急医療支援を開始します
JVCは、共に活動してきたPMRSのガザ地区の医療施設への緊急支援を開始します。郵便振替やインターネットから募金できます。皆様のご協力をお願いいたします。詳しくは、こちらの爆撃を受けたパレスチナ・ガザ地区への緊急医療支援を開始しますページをご覧ください。
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