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一時帰国通信②~現地スタッフ・リツが来日!「行きたい」 と言った場所

カンボジア現地代表 大村 真理子
2019年5月13日 更新

こんにちは。カンボジアから大村です。数日前、シェムリアップの街に出てみたら、いつもより日本人観光客と思われる方が多くて、「あ!ゴールデンウィークだ!」と思い出しました。

前回のブログで、10月の一時帰国のことを書いたままになっているので、続きを書こうと思います。この一時帰国は、途中から約1週間、現地スタッフのリツが出張して来ていました。リツは勤務暦25年のベテランスタッフ(ドライバー兼試験農場補佐)で、初めての海外。フライトは緊張して一睡もできないまま(!)日本に到着、約1週間、全国各地をともにめぐりました。

さすがドライバー!日本では常に運転席の近くを陣取り、運転手さんの運転を見ていました。「日本の交通ルールは素晴らしい」とのことさすがドライバー!日本では常に運転席の近くを陣取り、運転手さんの運転を見ていました。「日本の交通ルールは素晴らしい」とのこと

リツの希望の災害ボランティア

リツが日本に到着してすぐ、私たちが向かったのは広島でした。リツは夏頃から、「平成30年7月豪雨」の被災地をいつも気にしていました。詳細は外部ブログ「西日本豪雨を受けて、カンボジアの皆から」にも書きましたが、当時、村を歩くたびに「日本は大丈夫なの?」と声をかけられ、毎日、多くの方が日本を案じてくれていました。リツはいつも「できることなら手伝いに行きたい」と言っていたので、今回、広島県呉市での土砂運びのボランティアをすることにしたのです。

リツの得意分野は力仕事。また、カンボジアも水害の多い国で、リツも様々な自然災害の経験を持っています。当日の作業は、お庭が土砂で埋まってしまっているお宅の土砂運び。泥をかき、袋に入れ、「ネコ」と呼ばれる一輪車で決まった場所に運ぶ、その繰り返しです。

案の定、リツは大活躍!とにかく泥の扱い、機具の扱いに慣れている。強くて丁寧。周りの方と協力しながら、どんどん作業を進めていました。周囲の方も、リツがカンボジアから来ていることや、どうして今回参加しているかを聞いて応援してくださり、そのあたたかさに私も感動してしまいました。(作業の様子は、個人宅のお手伝いだったので撮影していません)

作業後、長靴の泥を洗うリツ。いつもカンボジアで使っている長靴!作業後、長靴の泥を洗うリツ。いつもカンボジアで使っている長靴!

夕方、受付センターに戻り、帰宅の準備をしているとリツの周りに人が。何かと思えば一緒に作業をした皆さんで、「来てくれてありがとう」「外国から手伝いに来てくれたことを忘れないよ」「カンボジアに行く時は連絡する」などなど、優しい言葉にあふれていました。

再会の約束をして握手を再会の約束をして握手を
お世話になった皆さんとお世話になった皆さんと

広島、長崎で戦争に触れて

広島での空き時間は、広島平和記念資料館へ。また、一時帰国中には長崎にも伺う機会があり、長崎では長崎原爆資料館へ。リツは母国で「ポル・ポト時代」を経験しており、ご両親やご兄弟は亡くなり、自身も6歳で強制労働に従事していた過去があります。それでも、「日本の戦争の歴史を知りたい」と、両施設の見学を希望しました。

数字の意味を伝えたところ、ずっと、眺めていました数字の意味を伝えたところ、ずっと、眺めていました
広島でも長崎でも、長い間黙祷をしていました広島でも長崎でも、長い間黙祷をしていました

日本は希望?

両施設を見学後、リツが言っていたのは、「日本は希望だ」ということ。原爆が落とされた後の光景は、自分が経験した「ポル・ポト時代」の後によく似ている。でも、日本はそれをここまで立て直している。キレイな街並み、遵守される交通ルール(信号を守らない人がカンボジアでは大半なので、大変感動したようです)、「メイドインジャパン」の技術力、どれもが自分たちの希望である、とのこと。私はこれを聞いて、「そうか!外国の方から見たら、そう思う部分があるのか。」と、ちょっとハッとしてしまいました。

支援者の皆さんに直に会う

リツは今回の出張で、多くのカンボジア事業支援者の方に、直に会うことができました(どうしても叶わなかった方もいます。また次回によろしくお願いいたします)。

長崎で、株式会社童話館の川端代表と。勤務暦25年のリツ、代表のお父様である前代表がカンボジアに視察に来る際、いつも運転手をしていたこともあり、喜びもひとしおだったようです長崎で、株式会社童話館の川端代表と。勤務暦25年のリツ、代表のお父様である前代表がカンボジアに視察に来る際、いつも運転手をしていたこともあり、喜びもひとしおだったようです
WE21での報告会WE21での報告会
切手収集などを通して事業を応援してくださっているカンボジアボランティアチームのお手伝い(切手きり)切手収集などを通して事業を応援してくださっているカンボジアボランティアチームのお手伝い(切手きり)
JVC代表交代イベントにも参加、支援者の皆様のほか、元カンボジア事業関係者など、多くのOBOGにも再会することができましたJVC代表交代イベントにも参加、支援者の皆様のほか、元カンボジア事業関係者など、多くのOBOGにも再会することができました
スピーチで代表交代イベントを盛り上げる一幕も!スピーチで代表交代イベントを盛り上げる一幕も!

カンボジアでの日本出張報告会

日本出張を終えたリツは、カンボジアで他のスタッフに向けて、出張報告を行いました。

よくあることなのですが、途中で停電してしまったため、プロジェクターではなくパソコン画面の写真を見ながら報告しています・・・よくあることなのですが、途中で停電してしまったため、プロジェクターではなくパソコン画面の写真を見ながら報告しています・・・

■とにかく美しい。ゴミが落ちていない。

■電車やバスが時刻どおりに来る。皆が足早に歩いている。

■皆が交通ルールを守っている。横から急に入ってきたり、ルール違反をする人がいないので、安心して運転できる環境がある。

■これらは、戦後復興の姿として、ひとつの希望である。

リツが強調していたポイントは、上の4つです。リツと一緒に日本を周ることで、私も色々と学ぶところがあり、大変貴重な機会となりました。

「滞在中お世話になった皆様、そしていつもカンボジアを支えてくださっている皆様、本当にありがとうございます」というリツの伝言を記して、今回の報告を終えようと思います!