村人物語の記事一覧
3月21日、春分の日。アフガニスタンではこの日に新年を迎えます。ナウルーズ(ノウルーズ)と呼ばれ、親族・友人が集い、新しい春を迎える喜びを分かち合う祝日です。「皆、新しい衣装をきて美味しいものを食べて過ごしているのかな」とぼんやり思っていたその日に、現地スタッフから、衝撃の報告が届きました。
「マヒルさんが殺された」
メーラブ・ハーンさんの話をしたい。彼は自分と同じホギャニ郡の出身で、僕らは今からもう20年以上前に知り合った。タリバンが政権をとっていた頃だ。彼の住む村は特に山間地だったからメーラブさんはそこで採れる木を建材として売る仕事をしていて、とてもいい暮らしをしていたんだ。皆そう言ってた。そんなに頻繁に会うことはなかったけど、幸せそうだった。
ザヒドゥラさんは25歳、JVCの活動地ナンガルハル県の隣にあるラグマン県メタルラム村に住んでいます。彼には息子が一人おり、食料品店を開いて家族を養っています。店には、小麦粉、米、食用油、砂糖、豆類、飲物など、ほとんどの食料品がそろっています。ザヒドゥラさんはとても親切で品物の値段も適切なので、多くのお客さんが買い物にやってきます。「どうしてこんなに繁盛しているんですか」と尋ねると、「お客さんにていねいに対応しているからじゃないかな。それに、いい品物をそろえているからね」と答えが返ってきました。
彼は朝早くから夕方遅くまで店で働いています。弟も店を手伝っているそうです。小さな資本で始めた店ですが、今ではずっと大きくなりました。彼は教員養成大学を卒業したあと、役所に勤めて教員の指導にあたっていました。ザヒドゥラさんの好きな野菜と果物は、オクラとリンゴだそうです。毎朝、家から1時間歩いて店まで通っています。夕方家に帰る時には、川沿いを歩き、時には魚釣りもします。金曜日はアフガニスタンの休日。友だちや親戚と会うのを楽しみにしているそうです。バレーボールが得意で、試合にも出ているそうですよ。
JVCアフガニスタン現地スタッフのサビルラから、以下のようなエピソードが届きました。診療所で出会った一人の少年のお話です。
人には物語があり、誰もが苦労を背負っています。子どもは学校で無邪気に友だちと遊び、子どもらしく生きるものですが、世の中にはそうできない子どももいます。彼らは家族を支えるために大人と同じような考え方をしなければなりません。
私(=サビルラ:訳注)がゴレーク村の診療所に行った時のことです。一人の少年から診療の順番を聞かれました。自分は診療を受けに来たのではないと答えると、彼は少し恥ずかしそうにしていました。私は、彼をなごませようと思っていろいろ話しかけてみたのですが、なかなか打ち解けてくれません。それは彼が小さい時から重ねて来た苦労のためです。
彼はシャー・モハマド君といいます。父の名前はザレーン。クナール県の出身で今はJVCの活動地ナンガルハル県カチャラ村に住んでいるそうです。シャー・モハマド君は、自分の正確な誕生日も年齢も知りません。たぶん11〜12才くらいでしょうか。彼は家族といっしょに7年前にカチャラ村に引っ越してきました。彼は3番目の子どもで、小さいころから父親や家族の手伝いをしてきました。家では、羊や山羊、牛を飼っており、カチャラ村に来てからもその世話をしています。また川の対岸までボートで人を渡す仕事もしていて、一日30パキスタンルピーを稼いでいます。
シャー・モハマド君は家のために働かねばならないので、学校に行ったことはありません。家畜の世話をしたり、父親の農作業を手伝ったりしています。今日は具合が悪い弟を病院まで連れてきました。父親はいつも畑仕事で忙しいので、彼が小さい子どものめんどうを見ています。
彼は、本当は学校に行って勉強がしたかったそうです。でもどうして自分が学校に行けなかったかわからないと言います。その話しぶりはまるで20歳の大人のようで、とてもこの年齢の子どもとは思えません。「食べ物を買うお金は持っているの」と聞いてみたら、「持っていない」と言うので、私は売店で何か買って弟といっしょに食べるようにと、お金をあげました。そして「勉強は大事だよ、一生懸命勉強すれば医者にだってなれるし、地位もお金も得られるんだから。家に帰ったらお父さんや家族に勉強がしたいと言ってごらん」と彼に伝えました。「うん、そうする」と彼は約束しました。
最近、私は同じカチャラ村出身のJVCスタッフ、ファザル・ハクに、その子のお父さんとなぜ彼を学校に行かせないのか話してみたいと頼みました。そして今日、そのお父さんと電話で話したところ、シャー・モハマド君は別の村の宗教学校で勉強を始めたということでした。
今回はアブドゥル バシール君(15)にインタビューをしました。バシール君はナンガハル県のケワ州バンガブ村に暮らすりんごと豆が大好物なアーマッド・コット男子校10年生(日本の高校1年生にあたる)です。
彼はとても賢く勤勉な高校生で、7年生から今まで学年一番の成績をとってきました。バシールくんに学年一番の成績を取り続ける理由を尋ねると、「父が教師だから」と言い、さらに「父は家で僕の勉強を一生懸命見てくれます。だから自分も学校の授業を頑張っています。例えば、授業でわからなかったところを聞くと、父が教えてくれます」と話してくれました。
10歳のヘワド君は可愛らしい10歳の少年です。ナンガハル州ケーワ地区カチャラ村に暮らすカチャラ男子校の3年生で、バナナとシリアルの中のお豆が大好物。ヘワド君の家族はお父さんが不治の病にかかり随分前に亡くなり、お母さんと二人の弟の4人暮らしです。ヘワド君はとても賢く、勉強にも一生懸命に取組んでいて、一年生の時からずーっとクラスで一番とのこと。
アブドゥル・マリークさんはナンガハール州ベイスード生まれの59歳、教師となって23年目の経験豊かな先生です。今はワチ・タンガイ高校(小学校・中学校・高校が一緒)で化学を教えています。プライベートでは、5人の息子と7人の娘、合計12人の子どもを持ち、オクラ(英語ではレディフィンガー、"ご婦人の指"と言います。)と茄子が大好物。そんなマリークさんにインタビューをしました。
今回ご紹介するのは女子学生のタリカさん。10歳で、ワチ・タンゲイ女学校の4年生です。午前は宗教学校のマドラッサに通い、午後から女学校で授業を受けています。読み書きができ、前回のテストでは学年で3番という素晴らしい成績を取りました。どうやってそんな素晴らしい成績が取れたのかタリカさんに尋ねてみると、「学校にきちんと行って、先生の話や授業をしっかり聞いて、決まった時間に復習をしているからです。授業でわからないことは学校では先生に、自宅では叔父に聞き、授業をこなしています。」と答えてくれました。マドラッサでは三冊のイスラム教本を学んでいます。
ハセブッラーさんはジャララバードのイスティクラル・レストランのシェフです。
4人のお子さんを持つ(息子さん二人、娘さん二人)27歳のお父さんで、クナール州ナンガラムで暮らしています。ハセブッラーさんは アフガニスタンの様々な料理、例えばアフガン風パラウ(お肉の炊き込みご飯)、コルマ(お肉の煮込みスープ)やなど様々な料理を人々に提供し、シェフとしてお客さんに喜んでもらうことに満足しています。(お料理は下の写真をご覧ください)ちなみに彼の好物はオクラ、趣味は休日に公園を散歩すること、友達と会うこと、クリケットをすることだそうです。
ダウードさんは4人のお子さんを持つ28 才のお父さんで、ナンガルハル地方のカマ地区に住んでいます。ジャララバードとクナルをつなぐ幹線道路のカマ橋付近で、6年間毎年すいかの収穫期に路上販売をしています。 すいかの収穫期以外は野菜を販売しているそうです。