8月2日、3日に行われた「気仙沼みなとまつり」にあわせて、「気仙沼みなとまつり企画 ~はまのがっこうin浦島~」を開催しました。この企画の目的は、外部の人々に気仙沼の現状や浦島地区の魅力を伝えるとともに、外部の人々を呼び込み、浦島地区に活気をもたらすことです。JVCは、浦島地区振興会の地域資源開発部や地元の自治会等との協働により、当企画を実施し、首都圏や新潟などから11名の参加を得ました。
1日目、震災の経験を伝えるプログラムを実施しました。参加者たちは、津波と火災により甚大な被害を受けた集落や避難所となっていた旧浦島小学校を巡りながら、語り部の住民から被害の状況や消火活動の様子等について話を聞きました。「震災前、この集落には50世帯以上あったが、震災を免れたのはわずか7世帯ほどだ」参加者たちは被害の大きさを目の当たりにし、津波の恐ろしさを実感したようでした。その後は、防災集団移転の造成地の見学や「気仙沼みなとまつり(はまらいんや踊り)」の鑑賞を行い、1日目の日程を終えました。
2日目には、浦島地区の大自然を舞台とした釣り・磯遊びを行いました。参加した子どもたちは、普段目にすることのない様々な種類の魚や海の生き物を前に目を輝かせていました。その後は、津波による被害を受けた気仙沼向洋高校跡地の見学や小々汐(こごしお)打囃子保存会も参加した「気仙沼みなとまつり(打ばやし大競演)」の鑑賞を行いました。最後には、バーベキューおよび花火観賞を行い、参加者たちは湾内に打ちあがる鮮やかな花火を眺めながら、住民との交流を楽しみました。
参加者からは「住民の方々の明るさ、たくましさ、優しさを感じました」、「子どもたちにとって良い経験になったようです」といった声が寄せられました。一方、企画に参加した住民は「暑くて大変だったけど、子どもたちに喜んでもらえてよかった」と笑顔で話していました。
震災以前から浦島地区が抱えていた過疎化や後継者不足といった問題は、震災の影響により、一層深刻化しました。このような状況の下、JVCは、外部の人々が浦島地区を訪れ、住民と交流する機会をつくり、地域に活気をもたらすことが重要であると感じています。そのため、これからも引き続き、浦島地区振興会の地域資源開発部のメンバー等とともに、文化や人、自然の恵みといった地域資源を生かしたツアー等の企画を実施していきたいと考えています。