現在、JVC気仙沼ではユウガオのグリーンカーテンによる夏の暑さ対策を実施しています。前回の報告に引き続き、気仙沼・鹿折地区の5つの仮設住宅・77世帯のうち設置希望のあった63世帯のグリーンカーテン用ネットの設置工事を6月3日から開始し、6月24日に完了しました。
ネットの設置に際しては住民の方々から様々な要望を受けました。仮設住民の方々は震災以前には庭や畑でたくさんの植物を育ててきた人も多く、スペースの限られた仮設住宅でも駐車場の端や玄関の脇のプランターでたくさんのキレイな花や美味しそうな野菜が育てられています。
JVCが提供したユウガオ以外の植物を育てるのにネットを使いたいという希望も多くありました。お母さんたちの話を聞きながら日当たり具合や育てる植物の特徴を考えてネットの張る位置や高さを調整します。「このネットがあればゴーヤやキュウリもよくおがる(育つ)よ」とお母さんたち。
「うちは洗濯物を干す場所が他にないから設置しないでいいわ」というお宅もあります。あまったネットは来年まで保管できますがユウガオの苗はそういうわけにはいきません。そこで他の住民の方と相談して仮設の共有スペースである談話室にネットを設置しました。
今回の夏対策のような住民の生活に密着した事業を進めていくには、限られた時間と資源の中でJVCも住民も一緒に考え・動くことが重要です。ある仮設においては日当たりや洗濯物干しとの関係から、ネットをJVCが従来設置している部屋の窓側ではなく、玄関通路側の木製スロープに設置して欲しいという要望がありました。そこで住民のみなさんと相談した結果、木製スロープの梁と柱を利用してネットを設置することになりました。
住民のみなさんにも道具や資材を持ち寄ってもらい大工仕事をすること2時間あまり。見事玄関側通路にもネットを設置することが出来ました!ユウガオが悪天候に負けず無事に育てば、向かいのおうちの窓側のネットとあわせて緑に覆われた空間を作ってくれることでしょう。
準備期間を含め一ヵ月半ほどグリーンカーテンの設置作業を行ってきました。今後はネットのメンテナンスやユウガオの栽培に関するフォローを実施していくことになります。引き続き、住民の主体性を尊重し課題を解決していきたいと思います。
(野口 和宏)