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2013年11月15日 【 その他・未分類

ガザの英雄、その名も「ロケット」・アッサーフ。

パレスチナ現地代表 今野 泰三
2013年11月19日 更新

皆さん、こんにちは。

東京担当の並木が11月11日に現地便りに掲載した、ムハンマド・アッサーフについての記事にコメントしたところ、「せっかくですから今野さんもこのネタで書きましょうよー!笑」と返ってきたので、アラブ・アイドルをリアルタイムで見ていた隠れアッサーフ・ファンとして、何か書かざるをえなくなったエルサレム事務所の今野です。

さて、「ロケット」というニックネームを持つムハンマド・アッサーフには、多くの逸話があります。その1つに、次のようなものがあります。

彼は、アラブ・アイドルの最初のオーディションを受けに行った時、ガザ地区からなかなか出られず、当日エジプトの会場に着いた時にはすでに登録が終わっていました。ところが、アッサーフは壁を乗り越えて会場に侵入し、オーディションを受ける人たちの待合室で歌ったそうです。それを聞いたエジプト国籍のパレスチナ人男性が、「こいつは天才だ。俺が受けても受からないかもしれないけど、こいつだったら優勝するかもしれないぞ・・・」ということで、アッサーフに自分の登録番号を渡したそうです。だから、アッサーフが最初に歌った映像では、彼はエジプトのゼッケンをつけているというわけです。

こちらの映像が、エジプト出身とゼッケンに書いてあるアッサーフです。まだこの頃は、アラブ・アイドルの1回目か2回目くらいの登場だったと思います。いかにもガザ・ボーイだったアッサーフが、回を重ねるうちにだんだん垢ぬけていくのに、皆が魅了されたんだと思います(私もその一人です)。ちなみに、審査員の女性は、アラブ世界で超有名なレバノンの大物美人歌手、ナンシー・アジュラムです。彼女に魅了されたアラブ男性がいかに多いことか・・・

また、こちらの映像が、並木が歌詞の翻訳を載せていた祖国への想いを歌う、クフィーヤを付けたアッサーフです。まだオーディションの真中あたりだったと記憶しています。

アッサーフは、アラブ・アイドルで毎回放映される無数のオーディションを受けてついに優勝したわけですが、その時のパレスチナでの盛り上がりはすごかったです。西岸地区の町ラマッラーには大画面が設置され、若者で通りはごった返し、みんなでアッサーフを応援していました。

以下の写真はいずれも、優勝が決まった時の回を撮影したものです。

結果を待つ歌手の卵と審査員たち。上の映像の、左側の男性がアッサーフ。右下の映像の左側の女性が、レベノン人歌手ナンシー・アジュラムです。結果を待つ歌手の卵と審査員たち。上の映像の、左側の男性がアッサーフ。右下の映像の左側の女性が、レベノン人歌手ナンシー・アジュラムです。

ちなみに、この写真に登場しているアッサーフの競合相手の2人は、真中の女性がシリア人、右側がエジプト人で、シリア人女性は歌唱力だけで言えば一番だったと思います。とは言え、カリスマ性で圧倒的にアッサーフがリードしていたので、最後は誰も彼の優勝を疑いませんでしたが。

優勝が決まった直後の、涙目のアッサーフ。この瞬間、彼の人生は大きく変わりました。優勝が決まった直後の、涙目のアッサーフ。この瞬間、彼の人生は大きく変わりました。
アッサーフの優勝を祝う、パレスチナ各地の様子。左上が西岸地区ラマッラー、左下がイスラエル領内北部の町ナザレ、右下がガザ市、そして右上がアッサーフ。アッサーフの優勝を祝う、パレスチナ各地の様子。左上が西岸地区ラマッラー、左下がイスラエル領内北部の町ナザレ、右下がガザ市、そして右上がアッサーフ。
優勝が決まって歌うアッサーフ。パレスチナの国旗を持っています。優勝が決まって歌うアッサーフ。パレスチナの国旗を持っています。

最後に、こちらがアラブ・アイドルでの優勝が決まった後に歌った時のアッサーフの映像です。最後も、祖国への想いを歌詞に乗せて歌っていました。

アッサーフを直接知るガザの友人は、「彼はガザの希望だ」と言っていました。外の世界から隔離されたガザの人々にとって、ホテルやレストランで歌って生計を立てていた無名の少年が一躍スターとなり、いまや世界で活躍する姿は、まさにガザの光なのです。

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