JVCはガザの幼稚園児の貧血予防を目的に、箇所の幼稚園児を対象に、鉄分やビタミン、ミネラルなどが強化されたビスケットと牛乳を配布し、また衛生教育の実践も含めた事業を行ってきました。
衛生教育は、幼稚園と家庭用に、歯磨き、歯ブラシ、石鹸などが配布され、子どもたちは幼稚園で、トイレや遊んだ後、食事の前に手を洗うことや、食事の後に歯を磨くことを、毎日の「練習」を通して楽しく学んできました。
月に一度のオープン・デーでは、お母さんたちが交代で幼稚園にお手伝いに来たのですが、中には調理用ガスや調味料を寄付してくれるお母さんもいました。自分の家庭も貧困状態にありながらも、こうして物を持ち寄ってくれることはとても嬉しい「貢献」です。
また、毎回お手伝いに来るお母さんもいて、「お肉とヨーグルトは一緒に食べると、鉄分の吸収を妨げるということなど、新しいことが学べる。それに、新しい歌を子どもと一緒に歌ったり、人形劇に挑戦したり、とても楽しい」と言いました。
牛乳のおかゆを作った時は、「牛乳は高くて買えないし、支援物資の粉ミルクはおいしくないので子どもたちは飲みたがらない。でも、その粉ミルクもこうやって調理すれば、子どもたちは喜んで食べるし栄養満点」と、多くのお母さんたちが絶賛しました。
中には、「子どもに歯磨きの仕方を教えることができないから、どうやって教えれば良いのかを教えてほしい」と幼稚園に来るお母さんや、自分の子どもが「野菜を食べないがどうしたら良いか」と相談に来るお母さんもいました。また、子どもたちが手洗いや歯磨きをすることを楽しむようになり、配布した石けんや歯磨き粉がなくなった後も、各家庭で「購入するようになった」そうです。
幼稚園でも工夫を凝らして、紙芝居や人形劇、ゲームなど、栄養や衛生に関した活動が多く行われました。また、3月の母の日には、子どもからお母さんへのプレゼントが企画されました。
「衛生に関するもの」ということで、石けん、シャンプー、くしのセットにした幼稚園もあれば、可愛らしい袋に入った洗剤にした幼稚園もありました。子どもたちからのメッセージや絵と一緒に、プレゼントを渡されたお母さんは、「子どもからこんなプレゼントがもらえるなんて」と喜び、先生たちからは「子どもたちへのお返しはポテトチップではなくて、果物でね」と言われ、楽しそうに笑いました。
この1年の活動を通し、お母さんたちが気軽に幼稚園に来ることができるようになり、お母さんたちと幼稚園がともに協力し合って子どもたちの健康を守っていくような関係ができた、ということが、この大きな成果だと感じています。当初、「お母さんたちは、子どもの健康について知識もあまりないし、意識も低い」と心配げに言っていた幼稚園の先生たちも、お母さんたちの行動に大きな意識の変化を感じたようです。今後はこの1年で学んだことを生かしながら、先生たちが中心となって、学校で、家庭で、子どもたちの健康のためにできることを、継続していくことが期待されます。
JVCが一緒に活動を行ってきたガザの4つの幼稚園は5月中旬を持って、学年度が終了しました。皆さまのあたたかいご支援のおかげで、今年も360人の子どもたちが元気に、幼稚園に通い、学び、遊び、成長することができました。そして、2003年からJVCが継続して行ってきた同事業は、この5月をもって終了いたします。今後JVCは、貧困に苦しむ子どもたちに直接支援を届けることから、より、子どもたちをその地域社会が守っていくことができる仕組みづくりのお手伝いに、ガザで取り組んでまいります。これまでご支援くださった皆さまに心からお礼を申し上げるとともに、今後もガザの子どもたち、そして子どもたちを守っていくガザのお母さんたちの頑張りを、見守り応援していただけますよう、お願い申し上げます。
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