パレスチナの子どもたちは、3ヶ月に及ぶ夏休みの真っ最中!JVCはこの夏、普段から鉄分強化牛乳と栄養ビスケットを子どもたちに配布しているガザの幼稚園で、"Health and Fun"と題したサマーキャンプを、ANERA(アメリカ近東難民支援協会)と一緒に行っています。30箇所の幼稚園で、約2,500人の子どもたちが参加しています。それぞれの幼稚園には、「アニメーター」と呼ばれる、サマーキャンプのためのボランティア(主に大学生や大学を卒業したばかりの若者)がつきます。彼らはサマーキャンプでの活動を率いるために、歌や踊り、絵画やスポーツ、そして衛生教育などの"楽しい教え方"について事前にトレーニングを受けています。
このサマーキャンプでは、子どもたちに「体に良い食べ物」「体に良い事」について楽しく学んでもらおうと、様々な工夫がされています。野菜や果物の塗り絵をしたり、または野菜や果物の形をお面にしてかぶって踊ったり、手洗いや歯磨きについての人形劇をしたり、歌を歌ったり・・・そして、このサマーキャンプ内でも毎日、牛乳とビスケットが配られるのですが、食べたり飲んだりする前には必ず手を洗い、そしてその後には歯磨きも、毎日必ず行いました。サマーキャンプもそろそろ終盤。この毎日の実践がどのように子どもたちに変化を与えているか、先生やアニメーターに聞いてみました。
- 子どもたちは手洗い・歯磨きについては教育を受けたことがあるが、毎日「練習」するのは初めて。皆楽しんでいる(先生)
- 今までは家になかったので、お母さんに「歯ブラシを買ってほしい」と言う子どもが多くいる(先生)
- 栄養価の高い野菜や果物について名前を言えるようになったり、スナック菓子などは良くないということを、子どもたちが覚えた(先生)
- 食べる前には自分のタオルを持って、進んで手を洗いにいくようになった(アニメーター)
- 子どもたちが、磨いた後の歯を喜んで見せてくれる(アニメーター)
ある幼稚園で「家でも歯を磨いている人は?」と聞くと、多くの子どもが手を上げました。しかし続けて、「歯ブラシの色は何色?」と聞くと、答えられたのはそのうち数人。思わず笑ってしまいましたが、中には「お姉ちゃんと同じ赤い歯ブラシを買ってもらったの」「お兄ちゃんと僕は、いつも歯磨きを一緒にしている」という子もいました。パレスチナでは、子どもたちがお兄さんやお姉さん、目上の人の行動を倣うという光景を良く見かけますが、家の中での衛生についても同様のようです。
ある幼稚園では、「炭酸飲料水はだめ。ジュースを飲もう」「紅茶はだめ(子どもたちにとって、特に食後の紅茶は鉄分吸収の妨げになります)」「スナック菓子はだめ。果物を食べよう」というメッセージを、子どもたちにとって視覚的にわかりやすいポスターにして貼られていました。
子どもたちが5週間のサマーキャンプを通して楽しく学んだこれらの知識が、どのように行動に結びつくか。また後ほど、幼稚園の新学期が始まってから先生たちに聞いてみたいと思います。残りの夏休みも、幼稚園が始まるまで元気に遊んで大きくなってね!
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