先日、中東の民族楽器ウードを購入し、今月から先生について習い始めました。
調弦は低い音からドファラレソド。形は日本の琵琶に似ていて、ギターのように両手で抱えるようにして弾きます。「弾く」と言いましたが、実はアラビア語ではウードは「叩く」もので、プラスチックでできたピックをまさに叩きつけるようにして弦を鳴らします。しかし、ギターのようにコードを鳴らす(複数弦を同時に鳴らす)ことはウードでは珍しく、通常は短音楽器としてメロディを担当します。ウードは木でできているため音が柔らかく、特に低音は非常に伸びがあるので、単独で用いても十分聴きごたえのある重厚な音楽を奏でられます。
これが噂のウードですウードを買ってから自分で弾いてみたりしたのですが、どうしてもアラブの音楽になりません。先生に教わり、その謎がようやく解けました。
「最初に覚えるいちばん基本の音階は、レ、ミから少し下がった音、ファ、ソの4つ」
ちょっと待った、ミから少し下がった音って?しかし弾いてみると、このミから少し下がった音が入るだけですでにアラブ音楽の名手になったような響きが出ます。もうこれを覚えただけでお腹いっぱいの気分でしたが、先生はもっと色々なことを教えてくれます。
「ティジュラーイは知ってるか?」
「知りません。何ですか、それ?」
「ほら、あの結婚式の時に新婦がロウソクを両手に持って踊るだろ?ティジュラーイはその時の音楽だ」
ここの結婚式の新婦の踊りは見たことがありませんでしたが、とにかく新婦がこんなに綺麗な音楽に乗せて踊りを踊ることはわかりました。
ウードの教科書です「次はこの曲だ。この曲は少し違った音階でできていて……まあいい、とにかく聴け」
と、先生はのっけからアドリブ満載で教科書の音符の少なくとも3倍は複雑なメロディを奏で始めます。
「あっ聞いたことある!」
「だろうな、フェイルーズが歌っているのはあまりにも有名だ」
フェイルーズとはレバノンの女性で、アラブ世界、いや、中東全域で美空ひばり的な地位を占めている超有名な歌手のことです。パレスチナに住んでいれば、レストランの中で、バスの中で、タクシーの中で、とにかくどこかで必ずフェイルーズの歌声を耳にします。フェイルーズのすごいところは、その人気が国境を越えている上に、世代を越えていることです。彼女は今年で75歳にもなるにもかかわらず、例えばパレスチナの中高生に聞いても、フェイルーズの歌声が嫌いだという意見は聞いたことがありません。そのため、楽器の演奏者にとってもフェイルーズの歌う曲はアラブのスタンダードとして覚えることが必須となります。それに、これを弾けることでここの聴衆の心をわしづかみにできることは間違いなしです。
毎週30分という短い時間ではありますが、こうやって先生について音楽を習うことで、パレスチナや中東をもっと知っていきたいと思います。
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