さて、無事トレーニングとミーティングを終えた後、ニワトリなどの配布が行われました。ニワトリの業者とはコーディネーターのファリッドさんが事前に調整をし、生後ある程度の日数が経っていて予防接種も済ませている丈夫なニワトリたちが、ミニバンに乗って運ばれてきました。一軒一軒、車で回りながらニワトリ11羽(雄1羽、雌10羽)、餌一袋を各家庭に配ります。

各家庭で迎えてくれたのは、トレーニングを受けたお父さんたちと、そして子どもたちです。きゃーっという歓声をあげてニワトリを撫でたり、「食べられるかも!?」と必死に逃げようとするニワトリを走って捕まえたりと、各家庭で大騒ぎとなりました。その横で、そんな子どもたちを嬉しそうに見るお父さんたちの表情がまた素敵です。「このニワトリ、僕の?うちの?」と嬉しそうに聞く男の子もいました。もともと遊牧民族として生きてきた人たちなので、常に身近に動物がいる生活をしており、自分たちの庭にやってきたニワトリに対して早速愛着を感じているようです。ちょうどラマダン(一ヶ月にわたる断食。日の出から日没まで断食して、日没後の「朝ごはん」にはご馳走が振る舞われる)が始まる前だったので、「ニワトリを食べないようにね!」と冗談を言いながら、成功を祈っているので頑張ってください、と伝えました。


それぞれのおうちは事前にファリッドさんと回り、ニワトリを飼うスペースや環境を確認しました。もちろん、ニワトリが自由に散歩できるスペースがあるのが好ましいのですが、あまり放し飼いにすると病気に感染してしまう危険もあるので、ニワトリが動き回れる適度なスペースを作る必要があるのです。以前ニワトリや他の小動物を飼っていた囲いがある家、一部をドアのように閉めれば囲いのスペースとなる家などもありますが、何もない砂地の上に飼うことになるおうちもあり、そのため4家族には鉄製の「囲い」が提供されることになりました。ちょうどその日、私たちはファリッドさんと一緒に、その囲いを溶接技術者さんが製作しているところを訪問。まずは1つ目として囲いを作っていたのですが、その形を見てもどうもしっくりきません。その囲いは「足」がついていて地面から50cmほど離れていたのですが、地面に直接置く形の方がよいのではないか?と、素人ながらに思ったのです。ニワトリにとっては砂の上に「住む」方が心地いいでしょうし、また囲いの外に出られる環境があれば出やすいように、地面についた形の方がいいでしょう。そこでその考えを伝え、さらに一緒にいたニワトリの業者さんとにも助言をもらいながら相談し、囲いの形を地面に直接置く形に変えてもらいました。また、中に入って掃除ができるよう、囲いのドアも縦長にしてもらいました。

さて、後日その囲いも対象家族に配られ、いよいよ各家族が養鶏に取り組みます。初めての人もいれば、経験がある人もいますが、トレーニングで学んだことを糧に、それぞれ頑張っていってほしいものです。
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