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ガザ:栄養食のお味は?

パレスチナ現地代表 福田 直美
2010年2月25日 更新

ガザ南部、ハンユニスにある「人間の大地」栄養センターを訪れました。栄養失調の子どもたちが、治療のための食事をとりに通うこのセンターで、JVCは家庭に持ち帰るための乾燥食材を提供しています。このセンターで子どもたちが食べる治療食は、子どもたちのお母さんがセンターで調理するもの。栄養価の高い食事にするために、お母さんたちがスタッフから調理方法を学び、また衛生面での指導を受けながら調理します。

乾燥食材をチェックするJVC津高(右)乾燥食材をチェックするJVC津高(右)

配布している乾燥食材は、挽いたお米や豆類、セモリナ粉、ナツメヤシのペースト(はちみつ漬け)など。しかし、それらの食材が境界線を通ってガザに入ってくる間に長く待たされたこともあって傷んでしまい、昨年の7月から数ヶ月、配布を中断せざるを得ませんでした。配布が再開されたのは昨年12月下旬のこと。この日は、再び乾燥食材を貯蔵している倉庫を見せてもらい、また、配布している食材でお母さんたちが子どもに家で調理しているものを作って「味見」させてもらいました。セモリナ粉と水を火にかけ、ゆっくりかき混ぜているととろみがついてきます。これに、ナツメヤシのペーストを入れれば完成です(私たちが試食したものは、ナツメヤシではなくお砂糖で甘みをつけました)。味見をすると、ほんのり甘く優しい味がして、とても食べやすくそしておいしいのです。これで栄養価も高いのですから、子どもたちもお母さんたちも嬉しいことでしょう。「もう一杯食べる?」と聞かれて、つい「うん!」と答えそうになりましたが、実はこの前に、センターで調理している栄養食(野菜とお肉のスープ)も試食していたし、日ごろから十分栄養を摂っている私がこれ以上栄養を摂って肥えても仕方がないので、ここはぐっと我慢。作り方を覚えて自分で材料を購入して、家で作ることにするわ、と遠慮します。センターでは、子どもたちのお母さんに対して、このような正しい調理方法もきちんと伝えています。

栄養指導員さんたちに囲まれて、調理した栄養食を試食しました栄養指導員さんたちに囲まれて、調理した栄養食を試食しました

この家庭持ち帰り用乾燥食材が適切に使用されているかを確認するため、12月下旬からスタッフによる家庭訪問が何件か行われました。家庭に持ち帰る食料がきちんと栄養失調の子どもに食べさせられているか、また適切に調理されているか、栄養指導員の女性が家庭で聞き取りを行った様子をビデオで見せてもらいます。トタンや木の枝などで覆われた簡素なつくりの家の小さなキッチンで、小さな古いアルミの鍋で食材を調理するお母さん。食材は、きちんと袋に入った状態で棚の上に保管されています。他のお母さんも、食材の使い方を知っているかと聞かれると、「○カップのセモリナ粉に△カップの水を入れて・・・」ときちんと実践しているようです。また、センターでお母さんたちが栄養指導員から受ける講習に関しても、きちんと理解している様子がうかがえます。一方、乾燥食材はきちんと栄養失調の子どもだけに食べさせているけれども、それとともに配布している栄養強化ビスケットは、他の(健康な)子どもも食べてしまっているというお母さんも。「おいしいから食べてしまうの」とのことでしたが、栄養指導員さんからは「それは栄養失調の子どものためのものなのよ」と指導されます。

セモリナ粉を水で溶いて温めるセモリナ粉を水で溶いて温める

栄養指導員さんやその他のスタッフたちのこめ細やかな指導が、お母さんたちの家庭での頑張りを支えています。センターでも家庭でも、子どもたちがおいしい栄養食をしっかり食べて、一日も早く回復していくことを願います。


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