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【ガザ空爆】現地の声・3週間ぶりの静けさ

2009年1月18日 更新

昨晩のイスラエルの一方的停戦宣言に続き、ハマス側から「イスラエル軍が1週間以内にガザから撤退する」という条件付きでの1週間の停戦入りが発表された今日。「とりあえず攻撃はおさまった」というニュースを聞き、現地関係者と連絡を取り、電話口で久々に元気そうな声を聞くことができました。

AEI(=Ard El Insan、人間の大地):イテダル

「ありがとう。こうやって声を聞くことができるのが、本当に嬉しい。とりあえず私の周りでは皆無事よ。昨日の夜中まで攻撃の音がひどかったけれども、今は不気味なほど静かよ。ただ空には、偵察機が飛んでいるのが見えるわ。

AEIのセンターは、相変わらず特別な治療のために数時間だけ開けているの。今はガザの全ての人々が支援物資を必要としているから、それがなかなかセンターまでたどり着く状態にないわ。でも、一日も早く栄養食の提供が始められるよう準備をするつもり。この3週間で多くの尊い命が犠牲になったけれども、それでも神に助けられた子どもたちを、私たちはこれから守っていかなければならないの。

もし栄養食の提供を再開できるとすれば、今のガザには辛うじて手に入る食材は新鮮な野菜しかないの。栄養科の高いお肉も、果物もない。それから配布用の乾燥食材もない。それらがガザに入ってくる、またはガザで買えるようになるまでには時間がかかりそうだけれども、ガザで手に入るものを最大限に利用していきたいわ。子どもの母親たちだって、食材を買うことができる現金なんてないもの」

もちろん停戦状態になって安心したということもあるかもしれませんが、仕事の話をしている時の彼女は、やはり特に元気そうです。

今日は、久々に迎える静かな夜。この静けさが続くとは誰も断言できませんが、「とりあえずゆっくり体を休めてね」と伝えると、「ええ、明日から事務所も再開する予定よ。元のガザに戻るには大変な時間がかかるけれども、私たちはできる限りのことをしていくわ」と、もっと元気な声が返ってきました。

AEI:モハンマド医師(特に停戦前の数日間、攻撃の激しかったテル・アル・ハワ地区に住んでいる)

「神が僕たちの命を救ってくれた。今までは親戚や知人とも連絡が取りにくかったので、人々は朝から、周りの人々の無事を確認するために、そして悲しいケースだが瓦礫の下から亡くなった人を出すために、通りに出ていた。

数日前に攻撃を受けた赤新月社の病院や、UNRWA(=United Nations Relief and Works Agency、国連パレスチナ難民救済機関)本部は家のすぐ近くだったから、いつ攻撃を受けてもおかしくない状況だった。UNRWA本部には、昨夜もまた攻撃があったんだよ」

彼は今日も、休む間もなく働いています。

「僕が働いているシファ病院は、停戦状態になった今日もまだ緊急状態にある。負傷しても処置ができていなかった人たちが手術を待っているんだ。

それから今日は、カナダの団体からの支援物資がUNRWAの倉庫に届いたので、AEIのスタッフがそれを受け取りに行って、僕はジャバリアで150家族にロウソク、毛布、衛生用品などの配布をしてきたんだ。すっかり変わり果てた光景には驚いた。受け取った家族の中には、攻撃が収まった安心感からか、涙を流しながらお礼を言う人もいたんだ。

イスラエル軍はまだ駐留していて、ガザは3つの地域に分けられたままだ。君の知っている去年までのガザは、もう存在しない。建物も通りも壊されて、全く違う光景になっているんだよ」

私の知っているガザはもう存在しない。ニュースではその光景の一部を見ていても、私の想像をはるかに越える規模の破壊が、この3週間で行われたのです。彼は明るい声でこう続けました。

「ガザに来られるようになったら、真っ先にAEIのセンターに来てほしい。この状況を生き抜いた子どもたちに会ってほしいんだ。こんな状況の中、頻繁に連絡を取り続けてくれた。君たちは一番のゲストだ」

3週間続いた激しい攻撃で、ガザでは1,300人以上の死者、5,300人以上の負傷者が出ています。また、多くの民家も含む建物やインフラ設備が破壊され、避難民となった人々は4万5千人以上と言われる中、ガザの人々にはこれから先も厳しい生活が待ち受けています。イスラエル軍がガザ内から撤退するまで、再び衝突、攻撃が始まらないか心配でもあります。また、ガザへの人道支援物資も含む物資輸入に対する「封鎖」が解除されない限り、人々の日常の生活、そして復興に向けての道のりはとても厳しいものとなるでしょう。これから「元のガザに戻るために」長い道のりを歩んで行こうとする人々を見守りながら、JVCもその努力を支えていきたいと思います。


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