追悼記念式典で配布されたダルウィーシュのポスター
最も偉大なパレスチナ人詩人が亡くなった。マフムード・ダルウィーシュ享年67歳。小説よりも、ドラマや映画よりも、詩が愛されるパレスチナで、彼は英雄だった。彼の詩は彼自身の土地の喪失、拠り所のない不安、正義と抵抗について語ってきた。そして、彼の作品はパレスチナ民族の離散の悲劇の象徴とされてきた。彼の語りは憎しみではなく人類愛に溢れていた。パレスチナのみならず、アラブ諸国はもちろん、世界各地で彼は愛されていた。
ラマッラーで彼の「国葬」があった。アラファト以来、パレスチナ史上二人目の「国葬」。(注:パレスチナは国家ではないので「国葬」は正確な表現ではない)彼の永眠の地となったラマッラーには半旗が翻った。そしてアッバス大統領は3日間の服喪期間を決定した。
ベツレヘムに住む友人も、ラマッラーまで行ってきたという。「突然の死に戸惑っているの。彼は私達の誇りよ。とても喪失感を感じているわ。ラマッラーでは、同じ気持ちの人達がたくさん集まっていたわ。」
東エルサレムでも追悼記念イベントが催された。ダルウィーシュの詩のリサイタルビデオを皆で見ながら彼を偲ぶものだ。会場は一杯だった。子供連れの参加者も多くいた。会場で配られたダルウィーシュのポスターを子供達は大喜びでもらっていた。子供達はいつか彼の偉大さを知ることになるのだろう。
友人のフダが言った。「マフムードは最も美しく、ロマンチックな言葉で、アッコやハイファやパレスチナの村や谷を語ったの。そして何よりも、私達にエモーショナル(感情的)であって良いって教えてくれたの。」フダは知的かつ政治的で活動家でもある。不正義に立ち向かう凛とした強さと同時に美しいものを愛し、失ったお父さんの家を見るたびに涙する感受性を持っている。
エドワード・サイードの著書の題名にも使われた、ダルウィーシュの最も有名な詩の一つ「迫り来る大地("The Earth Is Closing on Us”)」にも彼の不安と抵抗への決意が入り混じっているように思える。自分達の抑圧された状態を彼はこのように表現している。
※「地の果ての次は私達はどこへ行けばよいのだろう?
空の果ての次は鳥達はどこへ飛べばよいのだろう?」
迫り来る大地に押し潰され、押し出されそうになりながらもダルウィーシュはこの土地を愛し続け、死してもなおこの地に生き続けることを望んでいた。
「私達はここで死ぬ、最後に残されたこの道で。
ここで、ここでこそ、私達の血はオリーブの木を根付かせるだろう」※
マフムード・ダルウィーシュは、彼の愛するパレスチナの地、ラマッラーに永眠した。彼の詩は永遠にパレスチナ人のそして私達の心に根付き生き続けるだろう。
※内・英語訳:Abdullah al-Udhari, Victims of a Map, Saqi Books, 2005 和訳:筆者
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