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エルサレム北部の村へ【1】:ハーレット・アル・ハレーレ村

2008年6月 8日 更新
エルサレム周辺の地図、赤い線で囲った地域が下の地図である。エルサレム周辺の地図、赤い線で囲った地域が下の地図である。

「エルサレム市の北に、巡回診療を依頼されている村がある。2つとも入植地と分離壁に囲まれて、学校や買い物、病院への移動も厳しく制限されているんだ。村の人たちと打ち合わせに行くから、一緒に来てこの村の状況を見に来てほしい」。先日、MRS(医療救援協会)の医師と一緒に、ハーレット・アル・ハレーレ村とナビ・サムウィル村を訪れる機会がありました。

上の赤い線で囲った地域を拡大した地図。青い線で囲った地域がハーレット・アル・ハレーレ村、赤い線で囲った地域がナビ・ソムウィル村。上の赤い線で囲った地域を拡大した地図。青い線で囲った地域がハーレット・アル・ハレーレ村、赤い線で囲った地域がナビ・ソムウィル村。

ハーレット・アル・ハレーレ村は、UNOCHA(国連人道問題調整事務所)の地図に載っていません。この村には700人が住んでいますが、ギヴアット・ゼエブ、ギヴオン・ハハダシャという2つの入植地に挟まれています。この村は以前、アル・ジーブという村の一部でしたが、2002年にイスラエルによりアル・ジーブへ続く道を封鎖されました(アル・ジーブも壁に囲まれた地域)。2005年には、鉄の門が作られ、イスラエル兵が常にいる検問所のようなものになったそうです。その門は徒歩でしか通行できず、また、通ることができるのはこの村の住人だけで、イスラエルは人々の通行を住人の名前が書かれたリストによって管理しているのです。

「買い物に行くにも、アル・ジーブに行かなきゃいけないけれど、時間も交通費もかかる上に、検問所で何時間待たされるかわからない。その間に食べ物は傷んでしまう。クッキング・ガスなんかも手で運ぶから、全て割高になってしまう」と、村に住むイスマイルさんは言います。村の半分の人々はエルサレム居住権があり、車でエルサレムに行くことができますが、エルサレムから村にたどり着くまでにはラモットという検問所を通らなければならず、物を運んで入れるにはとても厳しいチェックがあるそうです。

村には病院や診療所はありません。「2歳の息子が転んで意識を失った時は、息子を抱えてアル・ジーブへの道に続く門まで走ったんだ。1km走って、その後待たなければいけなくて、兵士に何度も「通してくれ」と頼んだよ。そこからタクシーを呼んでラマッラーの病院に行ったんだ。道中ずっと、不安で仕方がなった」。村の中に診療所がほしい、と言いますが、「恒久的な建物を建てればすぐに壊されてしまう。24時間、この村は見張られているんだよ。入植者は用もないのに毎日のように入ってきて気味が悪いし、あの建物もこの建物も、建設許可がないといってある日いきなり壊された」。日々、イスラエル警察が入ってきて、村の人たちにこの村から立ち退くようにというプレッシャーをかけにくるそうです。すでにこの村を離れた人たちもいます。

ハーレット・アルハレーレの村人ハーレット・アルハレーレの村人

水は現在アル・ジーブから提供されていますが、水道管などに問題があって水漏れがあったとしても、その修理などのために村からサービスを提供することはできません。この村の住人以外はこの村に入ってくることができないためです。そのため、パレスチナ政府から提供することができるサービスも限られているのです。いつかこの水の供給自体も断ち切られてしまうのではないか、という不安もあります。「この村で誰か亡くなったとしても、西岸に住む親戚は葬式に来ることもできない。この村は西岸からもエルサレムからも孤立しているんだ。そこに見える村、ナビ・サムウィルも同じような境遇にあるんだ。この2つの村がなくなれば、イスラエルは今ある入植地をかなり広げることができるからね。でも、僕たちはここに住んでいるんだよ、ここが僕たちの村なんだ」と、すぐ近くにある入植地を見ながら、イスマイルさんは言いました。これから医師と一緒に、ナビ・サムウィルに向かいます。


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