
東エルサレムの旧市街の下、南に広がるのがエルサレム最古の町、シルワン。その歴史は5千年前まで遡ると言われています。エルサレムが古くから栄えた理由は、その谷に湧きでる「シロアの泉」があったからです。そしてその谷の水を丘の上に運ぶ技術を得たことが、丘の都市エルサレムの発展を可能にしたのです。東エルサレムにあるシロアの泉はイスラム教のワクフの管理下にあります。


今、「ダビデの町」の発掘調査と国立公園を管理している「考古学NGO」エラッドはダビデの町から繋がるシルワンの地下を通る一大発掘事業を進めています。その一帯の民家は、立ち退き命令が出されていたり、家の地下を発掘されたりしています。シロアの泉の上にある幼稚園も立ち退きの危機にさらされているそうです。パレスチナ人居住地区内にある発掘現場にはユダヤ教のシンボルのダビデの星を描いたイスラエルの旗が、靡いています。発掘現場は住民も報道陣も立ち入り禁止だそうです。

そして、地上のシルワンのメインストリートの両側の家に、イスラエルの国旗がはためく家が何件か見えます。それらの家は、数年前に「非合法的」にイスラエルに没収され、ユダヤ人入植者に売られたものだと聞きました。裁判所が撤退命令を出したのにも関わらず、ユダヤ人は住み続け、強制撤退手段は取られていないそうです。

シルワンの住民はこの発掘調査と違法入植者の増加に危機感を募らせています。ダビデの町から繋がるこの一帯が、遺跡観光地および入植地にする「再開発」の計画があり、この一帯の住民が立ち退きを余儀なくされると言うのです。何とか、この流れを食い止めようと、村人はこれらに反対する運動を始めました。村のメインストリートには「トンネル発掘は村の殺害を意味する」とか「入植地とトンネル(地下発掘)は同じ行為」というバナーが掲げられていました。
急ピッチで進む、東エルサレムでの発掘活動や入植活動は、エルサレムを分割することを前提とした「二国家解決案」に基づく和平プロセスの行方に大きな影を落としています。
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