
東エルサレムに位置する町、アブ・ディスは、エルサレム旧市街から直線で5キロほどのところです。でも今では「壁」に遮られ、回り道を強いられ、40分ほどかかります。途中に検問所も設置され、イスラエルのエルサレム市永住権を持つ人しか通ることが出来ません。

今回訪れたのは、アブ・ディスにある幼稚園。現地医療チームからラムジー医師、アズバとリハムの両保健師、東京から出張中で看護師資格を持つ藤屋パレスチナ事業東京担当、と私。園児の健康診断を依頼されました。園長先生の話では、この幼稚園は2004年に設立したとのこと。主にアブ・ディスと隣村のサワヘルから70人ほどの園児が通ってくるそうです。


今日は19人の園児を診察しました。イボのある子が1人、斜視の子が1人、シラミを持つ子が2人いました。子供達の衛生状態にも問題があるとして、アズバ保健師は、急遽子供達を集めて衛生講習を始めました。
その間、園長先生に壁の影響を聞きました。「アブ・ディスの住民の半分はエルサレム市永住権をもっていないの。壁が出来てから、永住権を持っていない人はエルサレムに行けなくなったわ。男性の半分は働けなくなったの。45歳以上の年齢制限があるから、若い人は特に大変。幼稚園も授業料をもらって運営しているけど、払えない家庭が増えているの。でも払えなくなったから追い出すわけにいかないでしょう。経営も大変よ」

アブ・ディスの医療施設についても訪ねました。「アブ・ディスには医療センターが一つあるだけ。エルサレム永住権を持たない私たちは、エルサレムの病院にいくのは特別な許可が必要でとても難しいの。ラマッラーの病院までいかなければならなくなったのよ。」かつては車で5分の距離だったエルサレムの病院が、彼女達にとってはとても遠いところになってしまったのです。
園長先生は、「毎年子供達の健康診断に来てもらってとても助かっている。私たちも子供達の健康の役に立てて嬉しいわ。みなさんにはとても感謝している」と言ってくれました。また近いうちに残りの生徒達の健診に来ることを約束して、幼稚園を後にしました。

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