パレスチナに赴任して1年が経ち、1ヶ月ほど東京事務所に戻りました。
事務所での打ち合わせなどの仕事のほか、まず初日に待ち受けていたのがパレスチナ・ボランティアチームとの打ち合わせでした。一時帰国に際しての活動報告会を、ボランティアチームが企画してくれていたのです。イベント企画、実行力を誇るボランティアチーム。今回の活動報告会は、特にNGOやパレスチナに興味を持っている大学生世代を対象に、よりパレスチナやNGO、国際協力に興味を持っていただく、という主旨です。
主に、事業地でもあり私の生活の地でもあるエルサレム市の周辺の壁の建設状況や社会状況、そこに住む人々の様子などを通して、赴任一年目で感じたこと、嬉しかったことや悲しかったことも含めて率直に話させていただきました。参加くださった方々から色々なご質問をいただきましたが、特に大学生の方々からの、「自分たちに何ができるのかを知りたい」という声が印象的でした。学生の方々もお勤めをされている方々も、それぞれの立場からできることがあり、実際に行動へと結び付けている方々もいます。「何から始めたらいいのかわからない」と言いながらも、その疑問を持ち、「知りたい」と思って報告会に来てくださるだけで、それはすでに1つの行動。この報告会が1つのきっかけになれば、嬉しく思います。

出身地である宇都宮でも、大学生を中心にお話する機会をいただきました。特にNGO活動に参加する機会は東京であることが多いので、なかなか参加しづらいという声も。宇都宮大学国際学部の学生さんたちは、インドの職業訓練校と協力したフェアトレード活動(手工芸品の販売や、フェアトレード・カフェなども)を行っているそうです。
現地のことを知ってもらうこと、更にそれがどう自分たちのくらしとつながっているかを考えてもらうことの大切さ。多くの人が何となく感じていることを、行動に結び付けてしまうパワーに、私も学ばせていただきました。JVCとの活動とも、つなげていくことができたらと思います。
5月の連休明けには、ボランティアチームの企画によるイベント、『私たちが見た「ナクバ」』が行われました。イスラエルの建国にともない、その地に住んでいた多くのパレスチナの人々が土地を追われ、難民の歴史が始まったのがちょうど60年前の1948年。この一連の出来事は「ナクバ」と呼ばれています。60年前に土地を追われて難民となった人々は今も難民キャンプで生活しており、そしてその次の世代、また次の世代と、今も難民としての生活は続いています。
現地を訪問したボランティアチームのメンバーが、難民キャンプの人々と交流する中で見てきた、それぞれにとっての「ナクバ」を語りました。親から子へと受け継がれてきた伝統工芸・踊り・料理、子どもたちの様子や、そして実際に、キャンプの人たちが60年前まで住んでいた村を訪れたときのこと。本を読むだけではわからない、実際に人々と関わったからこそのメッセージが、参加くださった多くの方々に届いたようです。

報告会などを通して、日頃からJVCの活動に参加、協力くださっている方々だけでなく、パレスチナに興味がある人、初めて国際協力やパレスチナと関わる人、「何かしたい」という意思を持っている人たちとお話しすることができました。私も改めて、JVCの活動が多くの人たちに支えられているということ、そして現場からもメッセージを日本の社会へとつなげていくことの大切さを感じました。

私がJVCのパレスチナでの活動を知り、ボランティアチームに関わり始めたのが4年前。4年後の今、現地にいることは当時は想像もしていませんでしたが、行動の第一歩になった「知りたい」という気持は、今も常に原点にあります。もっと知りたい、と思っている方、どうぞパレスチナ・ボランティアチームの活動からご参加ください。
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