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ナクバ60周年【4】:バルーン・ロンチ(風船飛ばし)

パレスチナ現地代表 小林 和香子
2008年5月15日 更新

5月15日の今日は、パレスチナ人離散を強いられ難民となったナクバ(「大惨事」の意味)60周年に当たります。

しかし、イスラエルでは5月13日〜15日は建国60周年を記念した国際会議「明日に向かって」を開き、ブッシュ大統領を始め世界各国から要人を招待し、祝賀ムード一色になります。そこでは、イスラエル建国に伴ってパレスチナ人に降りかかった、虐殺、破壊行為や追放について触れられることもないし、家に戻ることを願う難民の存在について思い起こすこともないのです。

イベントのポスターイベントのポスター

ナクバの日の今日、パレスチナ人は、イスラエル人と世界中の人に、イスラエルの建国を祝うだけではおかしい、そのために権利を奪われた自分達のことを考えて欲しいとして、ナクバ・イベントを開催しました。イベントのキャッチフレーズは「明日の鍵は公正にある」、つまりパレスチナ人の権利(人権、民族自決権、難民帰還権)の回復こそが、和平の鍵であるとしています。

ナクバの日の今日のメインイベントは、バルーン・ロンチ(風船飛ばし)です。イスラエルが建設している分離壁の壁アートでは、女の子が風船を持って壁を飛んで越えている絵が好んで使われます。

今日のイベントも、少女のように飛んで壁を越えることは出来ないけど、せめて風船に自分の故郷に飛んでいってほしいと、風船にメッセージを添えて飛ばします。バルーンの数は21,900個。難民となってから60年間、それを日数にした数です。ナクバを追悼する意味で色は黒。壁の向こう側のカランディア難民キャンプ、ベツレヘムのアイダ難民キャンプなど、西岸各地と、東エルサレムでも同時開催です。今日の天気は晴れ、まさに風船日和です。

友人は娘2人と一緒に参加友人は娘2人と一緒に参加

私は東エルサレムに参加です。まずは、風船作りです。風船に空気を入れて、紐をつけて、メッセージをつけます。友人は2人の娘と一緒に参加です。住まいはエルサレムですが、下の娘さんはラマッラーの学校に通います。

風船につけられたメッセージ風船につけられたメッセージ

その娘さんがラマッラーの難民のお友達からメッセージをもらってきたので、バルーンにつけるのを手伝いました。メッセージには、おじいさんやおばあさんに聞いた故郷の村への思いがつづってあります。

いざ出発!いざ出発!

バルーンを飛ばす時間は各地同時で午後2時。5分前に裏の空き地に出発です。それぞれ、風船を持ってすぐ裏手の空き地に向かいます。黒い風船を束ねた姿はまるで、巨大な葡萄、それも高級な巨峰のようで、おいしそうにも見えます。

準備完了です準備完了です

時間になりました。ナクバを記念する短いスピーチと掛け声にあわせて、一斉に手を放しました。風船たちは風に乗って気持ち良さそうに東エルサレムの入植地フレンチヒルの上を飛んで行きました。

風に乗って飛んで行きました風に乗って飛んで行きました

友人がラマッラーと連絡をしています。

「こっちは上手くいったわよ。そっちはどう? え? 催涙ガス?」

どうやら、ラマッラーは大変だったようです。帰り際の友人との会話。「ワカコ、日曜日のナクバツアー行く?」「行くよ。今夜のナクバ美術展のオープニングにも行こうと思ってる」「私も行くよ。じゃ、後でね」

そう、ナクバ・イベントはまだまだ続きます。そして、私たちはイベントのハシゴに精を出すのでした。


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