東エルサレムにあるカランディア村は、壁(建設中も含む)とイスラエル人専用道路に囲まれ、完全に隔離された地域です。これらの地区はパレスチナではエルサレムに入りますが、イスラエルに「併合」されたエルサレム市の外になります。カランディア村の東側に現在建設中の壁は、かつてイギリス軍が使用していたエルサレム空港跡を取り囲むための壁です。また、カランディアと同じく隔離された隣のビル・ナバラ村の移動を「緩和」させる処置として作られたのが、イスラエル人専用道路の下を通るトンネルです。
このカランディア村にある幼稚園から、子供達の健康診断の依頼があり、JVCと現地医療チームが訪問しました。今回は看護師資格を持つ、JVC東京担当の藤屋も同行です。

幼稚園スタッフの話を聞きました。この幼稚園はこの地区の壁の建設が始まった2004年に設立されたそうです。それまでは隣の村の幼稚園に子供達は通っていましたが、隔離されたため、女性達が集まって幼稚園を始めたそうです。また、隔離の影響についても話してくれました。この村はかつてはエルサレムまでは車で15分ほどで、この村の人達は皆、エルサレムに働きに行き、学校に行っていたとのこと。今でも多くの人がエルサレム永住権を持ち、エルサレム市に税金を払い、イスラエルの健康保険に加入しているそうです。

しかし、壁が出来てからは、エルサレムに辿り着くには、検問所を幾つも超えなくてはならなくなって、道のりは最低でも1時間かかるそうです。エルサレムで働いていた多くの人が職を失ったそうです。子供達もエルサレムの学校に行くのは困難になりました。村には病院も診療所もなく、隣のビル・ナバラに私設の診療所があるものの高くて、一般の家庭には払えないそうです。何かあっても救急車も来なくなって、とても不安とのこと。

今日は24人の園児の健康診断をしました。身長・体重測定と内科健診です。藤屋看護師はラムジー医師のサポートに入りました。私は身長・体重測定のサポートです。健診の結果、1人の園児に心雑音の症状が見られました。医師は園長先生に両親を呼んでもらい、病院での診察を勧めました。幸い、両親はイスラエルの健康保険に加入しているので、イスラエルの病院で診てもらうことができるそうです。でも、病院に通う道のりは簡単ではありません。

園長先生は、何もない中で、とにかく子供達が学べる場所をと、幼稚園を始めたそうです。でも、「どこからも資金援助はないので、お金をかけられないのでスタッフみんなで手作りで教材を作っているの」と言って、幼稚園を案内してくれました。でも心配なのは子供達の健康で、無料で提供している私たちの活動のことを聞いて、すぐに連絡をしてくれたそうです。園長先生とスタッフは帰り際に、私たちに何度も何度も感謝の言葉を述べてくれました。
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