アイマン君の朝食はパンと紅茶だけアイマン君のお家を訪問しました。アイマン君はJVCが支援しているウム・アル・ナセル村の幼稚園に通う5歳の男の子。両親と4人の兄弟と共に暮らしています。お家はトタンで作った壁や屋根。食事部屋と寝室と台所とトイレがあります。家の外に小さな家畜小屋があって、鶏が4羽、羊が数頭、ロバが一頭います。両親は、この家に住んで10年になるそうです。
ビニールシートにゴザを敷いただけの寝室食事部屋には干草を燃やす暖炉のようなものと、お湯を沸かす炉があります。電気がないこの家で唯一の暖房です。今日のアイマン君の朝ごはんはホブズ(ナンのようなパン)と紅茶だけ。いつものメニューです。それでもアイマン君はおいしそうに食べています。砂の床にそのまま座って食べています。最初大人しかったアイマン君は、パンと紅茶だけの朝食を取ると、めっきり元気になり、お友達とかけっこを始めました。
幼稚園で配布している、牛乳とビスケットの話を聞きました。「牛乳は好き?」「大好き。」「ビスケットは?」「大好き。」お母さんは、アイマン君は幼稚園で生まれて始めて牛乳とビスケットを食べたと言います。子供は牛乳とビスケットがあるから幼稚園に行くのが楽しいと言っていると語ってくれました。アイマン君はお家で、学校で飲食する牛乳とビスケットの話をよくするそうです。お家に持って帰って兄弟皆にも分けてあげたいとも話しているそうです。アイマン君にとっては、JVCが幼稚園で配布している牛乳とビスケットが唯一の栄養源であると同時に、おいしくて特別なものなのです。
寝室を見せてもらいました。部屋全体にビニールシートが敷いてあって、その上にゴザのようなものが敷き詰めてあります。ここに毛布をかけて寝ています。ガザでも冬の夜は寒いときは零度近くになります。さぞかし寒いだろうと思って、「夜は寒くないの?」との問いに、「毛布2枚かけて寝るから寒くないよ」との答え。冬でも裸足で走りまわるこの村の子供達の多くは元気そうに見えても、風邪を引いたり貧血だったりします。
食料は乏しくても清潔な台所お母さんのファティマさんに台所を見せてもらいました。ある食料はポテトとトマトだけ。
ポテトはどうしたの、と聞いたら、農家から形が悪かったりして売れないポテトを分けてもらったとのこと。こちらの農家では売れない収穫は自由に持っていけるようにしているとのこと。トマトは近所に住むお母さんが届けてくれたとのこと。小麦粉などは国連難民救済事業機関(UNRWA)から配給されますが、お肉を食べるのは3ヶ月に一回くらいだそうです。お父さんはもともとイスラエルで日雇いに出かけていましたが、もう何年も失業しています。なので、この家の唯一の現金収入は、4羽の鶏が産む卵を売って得ている週に約20シェケル(約600円)だけで、それも調理用ガスを買うのに消えるそうです。お母さんは貴重な現金収入の卵を子供達が壊したりしないように、最新の注意を払っているようです。現金も食料も不足していますが、台所もトイレも清潔にしようとしているお母さんの努力が見られました。
村の子供達ウム・アル・ナセルはガザの北部にある小さな村。約450世帯の3,000人が暮らしています。もともとベドウィンだった5つの部族がパレスチナ自治政府の計画で、この地に住宅街を建設し移住させられた村ですが、住宅がもらえなかった約50世帯の家族や新しい家族は、住宅街の周りに、アイマン君のお家のようにトタンで作った家を建てて住んでいます。貧困が進むガザでも最貧困と言える村です。JVCはこの村の唯一の幼稚園の園児50人に毎日栄養強化した牛乳とビスケットを提供しています。でも、アイマン君の兄弟にまで届けることは残念ながら出来ていません。
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