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ガザ:商店の危機

パレスチナ現地代表 小林 和香子
2007年12月 6日 更新

ガザ市の街中の商店は今では半分ほどがシャッターを閉めています。イスラエルからの輸入に頼っていた商品が入って来なくなり、また原材料も入りにくくなっているからです。今回はその中で、お店を開けて頑張っている商店を訪問しました。

空っぽの果物棚 空っぽの果物棚

訪れた八百屋の棚は、商品が少なく、空っぽの棚が目立ちます。かつて、一般的に消費されてきた、りんごやバナナは、イスラエルからの輸入品。今ではめったにお目にかかれないし、たまに入ってきても価格が倍にもなっています。バナナはかつて1キロあたり3シェケル(約90円)だったものが、今では6シェケル(約180円)と倍になっています。りんごは、1ヶ月振りに入荷したそうです。が、こちらもかつての値段の倍になりました。

パレスチナで生産されている果物は、今の時期、苺とオレンジやグレープフルーツなどの柑橘類。苺はもともとイスラエルへの輸出用に作られている高級果物です。数日前に一部のみイスラエルへの輸出が許可されたそうです。街中に出回る苺は、小振りのものです。でも、地元の摘みたての苺は真っ赤に熟れていて、とても甘くておいしいです。ガザの苺はイスラエル産よりも甘くておいしいと評価が高いそうですが、実際私がエルサレムで食べるイスラエル産よりも美味しく感じました。野菜もトマトやキュウリ、ピーマンや唐辛子は、地元で取れるので価格に大きな変化はないようですが、マッシュルームやアボカドなどの「高級」野菜はもう見ることが出来ません。

パレスチナのパン「ホブズ」 パレスチナのパン「ホブズ」

パン屋を覗きました。パレスチナの人にとってパンは主食です。「ホブズ」と呼ばれる、小さく丸いナンのようなパンが日常的に食べられています。店主の話では、パンの原材料小麦粉の値上がりが著しく、ここ半年で80%値上がりしたそうです。仕方なく、ホブズの値段もかつては50枚で6シェケル(約180円)だったものを8シェケル(約240円)と3割強値上げしたそうです。でも、これでは利益はほとんど出ないそうです。

ガザでもっとも流行っている、「ファラッフェル」屋に行きました。ファラッフェルとは、ひよこ豆を潰して、コロッケのように油で揚げたもので、パレスチナの国民的食べ物です。ホブズにはさんでサンドイッチとして食べるのが、パレスチナでもっとも人気のある「ファストフード」です。この店はテークアウトのみです。経済状況の厳しい今でも大勢のお客さんが並んでいました。ここでは、機会も導入してファラッフェルをつくっているのですが、作っても作ってもお客さんの注文に追いつきません。ここでは、サンドイッチが1シェケル(約30円)と昔のままで売られていました。ファラッフェルだけなら、小さい袋一杯に詰めてもらって3シェケル(約90円)のままでした。食料がどんどん値上がりしていく中、この店は庶民の味方としてなんとか値上げをしないで、頑張っているようです。ちなみにファラッフェルはパレスチナ全土で食べられるのですが、ガザのファラッフェルはスパイシーかつカラッと揚がったサクサク感が、特別においしいのです。

商品や原材料不足で閉店に追い込まれる商店が多いガザですが、何とか頑張って苦しい時代乗り越えてほしいと願うばかりです。


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