巡廻診療車とジャバリアクリニックパレスチナを代表する医療NGO、パレスチナ医療救援協会(PMRS)のクリニックを訪問しました。PMRSのガザでの活動はガザ市にあるオフィスとガザ北部3箇所と南部フザアのクリニックを拠点とし、各地での巡廻診療を実施しています。もともと移動の制限や医療施設不足に対応するために、巡廻診療を活動の中心にしてきたPMRSですが、圧倒的にニーズのある地域にはこのようにクリニックも設置しています。
今回訪れたのは、ガザで最大の難民キャンプジャバリアキャンプの中にあるクリニックです。ジャバリアキャンプには国連難民救済事業機関(UNRWA)のクリニックがありますが、今では10万人にもなる住民に充分に対応しきれていないとして、PMRSはクリニックを開くことにしたそうです。30年も前にPMRSがガザで初めて開設したクリニックとのことなので、さぞかし古いのかと思いきや、新しくきれいなので驚きました。待合室には子ども達が喜びそうな野菜の形をした鮮やかな色彩の椅子も配置されて、明るい印象です。道路拡張計画のため、クリニックを道路の内側に立て直すことになったからとのことです。このクリニックには責任者で一般内科を担当のハッサン医師のほかに、小児科や眼科、歯科や婦人科などの医師が他のクリニックとのかけもちで週に何回か診察を受け持ちます。
ジャバリアクリニックのハッサン先生ハッサン医師に話を聞いたところ、6月にガザが完全に隔離されてから、患者の数は急増していて、特に子供と女性の貧血症の患者は20%も増えているそうです。先生は急速に進む貧困との関連性を指摘しています。また、クリニックでは1年分の薬の在庫を確保することにしており、6月以降の閉鎖にも長期間対応できると言われていたのですが、増え続ける患者への対応のために、予想をはるかに上回るスピードで薬がなくなっているそうです。中にはすでに使いきってしまった薬もあるとのことです。そのため、PMRSでは、国連のガザ緊急基金に対して、薬の支援を申請したそうです。
もともとのクリニックの建物の一部は、コミュニティーセンターとして保健衛生の研修やそれ以外のコミュニティーの目的のために開放しているそうです。ただし、このコミュニティーセンターには今のところ資金がないので、センター長はボランティアとして働いています。笑顔が素敵な青年のセンター長は「しょうがないよね。お金がないんだから。」と気にしていない様子。お給料がもらえなくても仕事ができることに意味があるようです。失業が蔓延化し、貧困も加速する中で気持ちがすさんでしまいそうな状況なのに、あるいはだからこそ、ボランティアとして社会貢献活動に参加したいという優秀な若者が沢山いることに驚かされます。そう、まさにPMRSを支えているのはこのようなボランティア達なのです。
PMRSは地域に根付いて、地域の人に信頼され、お金がもらえなくてもこの団体でボランティアをしていることが誇りにできるような、そんな団体なのです。今回私達を案内してくれたアエド医師も、PMRSに来る前は他の病院で働いていましたが、同時にPMRSでずっとボランティアをしていたそうです。5年前からPMRSの有給スタッフとして働けるようになって、今はとても幸せだとのことです。ガザの人達がこんなにも長く困難な状態を何とか乗り越えてこれたのは、このような前向きな姿勢を持ち続けている人達がいるからなのだと感じさせられました。
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