ここ数日、西エルサレムでは「エルサレム市40周年」と書かれた旗があちこちに掲げられ、“イスラエルにとっての”エルサレム市40周年を記念したイベントが行なわれています。夜には花火が上がり、あちこちで音楽が流れ、お祭りのムードです。
東エルサレムで行われたユダヤ人のパレード一方パレスチナにとっては、イスラエルによる、エルサレムを含むパレスチナ占領からの40年です。六日戦争から40年にあわせ、6月にはエキシビションやデモ、アートのイベントなどが各地で行なわれます。これに先立ち5月15日、様々なイスラエルの団体や個人が国際的な呼びかけを求める記者発表が行なわれ、そのスピーチを聞きに行ってきました。1967年以降、エルサレムで起こっていること ― イスラエルの東エルサレムの併合、東エルサレムのパレスチナ人に対する実質的な社会的差別とパレスチナ人の生活の困難さについて、占領に反対する人々がスピーチを行ないました。
1967年、イスラエルは、当時ヨルダン側であったエルサレムを併合しました。現在、パレスチナ自治区である東エルサレムや西岸地区には急速にユダヤ人の入植地が作られ、拡大されています。そしてそれを囲むように西岸との間に分離壁が建設されており、多くのパレスチナ人をパレスチナ西岸地区から孤立させてしまっているのです。さらにイスラエルは、エルサレムと、パレスチナ西岸地区にある大きな入植地の間に大きな入植地を建設しようとしていますが、これにより東エルサレムは完全に孤立し、また西岸地区は北と南に分断されてしまうという危険性を、スピーカーのハギットさんは訴えていました。
メイアさんは、エルサレムにおけるパレスチナ人に対する社会的差別の現状について、パレスチナ人は居住権を持っているけれど市民権は与えられていないという法的地位の問題性に加え、エルサレム市の予算や土地の配分に関しても大きな格差があることを説明し、「イスラエルを非難する」と訴えました。1967年以降、エルサレム市によって「違法」と見なされた東エルサレムの14,000もの家が取り壊されています。エルサレムの居住権を失わないために、東エルサレムを守るために、たとえ劣悪な環境であっても東エルサレムで生活をしているパレスチナ人も少なくないそうです。イスラエルの目的は、孤立と社会的差別を強いることでパレスチナ人が“自主的に”東エルサレムから出て行くようにすることである、とメイアさんは言いました。
東エルサレムの家の取り壊しに反対するメイアさんしかし残念ながら、記者発表を行った彼らのように40年にわたる占領に疑問を持ち行動しているイスラエルの団体は、イスラエルの中では非常にマイノリティーです。その翌日、ユダヤ人にとっての「エルサレム・デー」として、東エルサレムでユダヤ人のパレードがありました。多くのユダヤ人がイスラエル国旗を掲げ、音楽とともに踊りながら歩いていきます。そのためにイスラエル警察により通りは閉鎖され、道路は大渋滞です。パレスチナ人はこちらからパレードを見ていたのですが、彼らに対してパレードの中から飛び跳ねながら叫んでいるユダヤ人も多くいました。それに対して通りに出て何かを言い返していたパレスチナ人が、イスラエル警察に連れて行かれてしまうという光景もあり、こちら側からパレードをじっと見ているパレスチナの人々の表情は、耐えているように見えました。
この「40年」に対する、イスラエルにとっての意味とパレスチナにとっての意味があまりにも正反対であることに、その間にある、見えない大きな壁を感じざるを得ませんでした。西エルサレムでは多くの観光客を見かけますが、東エルサレムではほとんど見ることはありません。「ここからが東エルサレム」という境界になっている道路を横切る時、たった一本通りのこちら側であるパレスチナ人の住む地域で起こっている現実がどのくらい国際社会に伝わっているのだろうか、とふと疑問に思いました。今回の記者会見をアレンジしたメンバーは、40年を機に占領に反対するさらなる国際的な呼びかけの重要性を強調していました。6月には、世界各地で占領から40年に関するイベントが行われます。変わり行く状況から目を離さず、分離壁に加えて見えない壁により弱い立場へと追い込まれてしまっている人々の視線に立っていかなければならないと、改めて考えさせられた日でした。
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