パレスチナ人権センター(PHRC)の報告によると、昨日死亡した内の一人は、16歳の難聴の少年だったとのことです。
またか、と感じてしまう「死」でした。障害を持った人々が犠牲になっていっています。
2001年秋、イスラエル軍のベツレヘム侵攻時に、ベツレヘムのベイト・ジブリン難民キャンプは、多大な被害を受けました。キャンプに住んでいた難聴の男性は、軍事侵攻のなか家族のためにパンを買いに行き、イスラエル兵の「止まれ」という声が聞こえず、射殺されました。
射殺された難聴の男性には、妻と3人の子どもがいました。妻は軽い知恵遅れがありましたが双方の家族の支援と夫婦の協力で、細々と家庭生活を営んでいました。
私は当時、別のNGOのスタッフで、隣の難民キャンプで保健調査や健康相談をしていました。軍の撤退後、射殺された男性の長男を訪問して欲しいと連絡が私たちのところに入りました。その男の子は生まれつき足が悪く、定期的な治療と訓練が必要なので相談に乗って欲しいとのことでした。
相談を受けた日の夕方に、訪問しました。親戚と一緒の建物の1階にその家族は住んでいました。部屋に家具はほとんどなく、部屋壁側にマットが敷かれているだけでした。幼い子どもたちが母親の元を離れず、不安そうに私たちを見ていたのが印象的でした。長男の足の問題は、専門施設で継続的な訓練が受けられるよう調整しました。
しばらくして人づてに聞いたのは、母親は一人での子育ては難しく、子どもの一部はベツレヘムの養護施設で過ごしているということでした。
射殺された難聴の男性の娘は、JVCも支援しているトラウマを持つ子どもたちのための特別学校に通っています。養護施設には専門の子どものケアの担当者もいますし、そこから一般の学校での教育を受けることもできますが、その女の子は心理的な問題のため特別学校に通っています。
彼女は8歳ですが自分のことを10歳と言い、いつも必死でがんばっています。自分に関心を向けてもらえないととても不安になるようです。がんばりすぎてグループでの活動があまり得意ではなかったようです。学校では何事にもゆっくり丁寧に優しく対応してもらえることに、最初は戸惑っていたようですが、少しずつ甘えることもできるようになってきたようです。名前を呼んで握手をすると思いっきり抱きついてきます。彼女は歌にあわせた踊りや遊びが大好きです。先日も、ちょっと音は外れていましたが、元気に歌っていました。
事件が大きくなると「死」は数で伝わってきます。
その一人ひとりに生活があります。障害を持った人々とその家族多くは、つつましい日常生活を送っています。それが壊されました。そして、事件が忘れ去られた後にも、苦しみは続いています。(7月8日)
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