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TRC(資料・情報センター)を王立農業大学図書館に移管しました

カンボジア現地代表 大村 真理子
2019年5月28日 更新

こんにちは。去る2019年2月27日、JVCカンボジアは、TRC(農業・農村開発に関する資料・情報センター)を、カンボジア王立農業大学図書室に移管しました。

2019年2月27日、移管式典の様子。カンボジア王立農業大学中庭にて2019年2月27日、移管式典の様子。カンボジア王立農業大学中庭にて

1994年からスタートし、国内外の農業、農村開発、環境に関する書籍約7,000冊を無料で公開し、貸し出していたこの資料センター。関係者で話し合いを重ね、今後のカンボジアの農業を担う若者の学び場である、カンボジア王立農業大学内に移管するのがベストであるという結論を出しました。カンボジア王立農業大学は1964年に設立された農業専門大学です。農学の専門知識のみならず、経営や開発など農業全般を幅広く学べ、JVCカンボジアのスタッフにも、この大学の卒業生がいます。農学部、生物学部、農業環境開発学部、農業工学部、漁業学部、獣医学部、農業経営学部があり、JICAや日本の大学などの支援も入っている、将来有望な素敵な学生さんがたくさんいる大学です。

図書室自体も、日本の団体の協賛で建てられています図書室自体も、日本の団体の協賛で建てられています
JVCカンボジアのプロジェクトマネージャー、ピーも卒業生ですJVCカンボジアのプロジェクトマネージャー、ピーも卒業生です

長年、JVCカンボジア事務所内でTRCを運営してきましたが、直近の利用者は1年で60人前後。一方で王立農業大学の図書室の利用者は、毎日100人。貴重な農業資料をより多くの人に役立ててもらいたいという想いから、今回の移管の話がスタートしました。

資料の数が多く、一度に運びこむのが難しかったため、信頼できる場所に倉庫を借り、一時保管。

まずは倉庫の掃除から。Beforeまずは倉庫の掃除から。Before
数時間後。スタッフ皆で頑張りました!After)数時間後。スタッフ皆で頑張りました!After)
隙間から動物や鳥が入らないよう、網やネットを張る。ドライバーのリツが大活躍!隙間から動物や鳥が入らないよう、網やネットを張る。ドライバーのリツが大活躍!

引越し当日は、トラックで複数回往復して、運び込みました。

資料の内容毎に、ダンボールに細かく分けて・・・資料の内容毎に、ダンボールに細かく分けて・・・
すぐに図書室に入れるのではなく、書籍管理番号をつけるために一旦保管室に。左はTRC担当(当時)のJVCスタッフのエン。右は王立農業大学図書室長すぐに図書室に入れるのではなく、書籍管理番号をつけるために一旦保管室に。左はTRC担当(当時)のJVCスタッフのエン。右は王立農業大学図書室長
王立農業大学図書室の一部。書籍管理番号がついたものから、本棚へ。とてもキレイな図書室です王立農業大学図書室の一部。書籍管理番号がついたものから、本棚へ。とてもキレイな図書室です

移管式典には、JVC代表の今井が日本から駆けつけ、スピーチを行いました。

スピーチをするJVC今井。中央は王立農業大学副学長、右は王立農業大学図書室長スピーチをするJVC今井。中央は王立農業大学副学長、右は王立農業大学図書室長
スピーチを熱心に聞く生徒さん達スピーチを熱心に聞く生徒さん達
王立農業大学関係者とJVCスタッフ一同で、記念プレートとともに王立農業大学関係者とJVCスタッフ一同で、記念プレートとともに

よく晴れた空のした、多くの関係者の協力のもと、無事に移管記念式典を終えることができました。2019年5月現在、書籍管理番号のついた書籍から続々と図書室の本棚に入り、多くの生徒さんに活用されています。農業に関わる貴重な資料の数々が、これからのカンボジアを担う若者に有効利用され、今後のカンボジアの発展に役立つことを願っています。(一部の資料は移管せず、JVCにて保管、活用して参ります)

JVC代表今井より

タイ・カンボジア国境での難民支援から誕生したJVCは、1980年代の半ばから「難民の出ない村づくり」を目指してカンボジア国内で活動を始めました。1994年に開設したTRCは、農業研修など実践的な活動のための資料を提供する場として、また、持続可能な農業を目指す人々が学習する場として、広く活用されてきました。王立農業大学の研究者までもがTRCに通ってきていたという話には私も驚きました。

時代は変わってTRCが役割を終えた今も、その書籍・資料の価値は少しも色あせていません。それらが王立農業大学に移管され、農業を学ぶ若い人たちの役に立つのは、JVCにとって大変うれしいことです。カンボジアの将来のため、多くの方が利用することを期待しています。