カンボジアから大村です。この国の暑さの最盛期といわれる乾期の終わりの4月、5月。今年は雨が降るのがとても遅く(事業地では5/9、ようやく待望の雨が降りました!)、地元の人も、在住暦の長い外国人も、「今年は本当にきつかった!」と口を揃えて言いました。気温は毎日40℃を超え、4月の終わりに日本から出張に来ていたカンボジア事業担当・下田のパソコンは、到着初日に暑さで起動しなくなり、プリンターは高温で中のノズルが故障。スタッフの携帯も暑さで電源が入らなくなるなど、電子機器が次々とダメになっていく日々・・・。本当に、暑かった。
カラカラの池
雨が降らないとどうなるか。当然、水が足りません。事業地・コンポンクダイでは断水が続き、料理どころか手洗い、トイレの水流しもできない日が続きました。スタッフの家も水が出ないので、皆、出る時に貯めておいた水で夜の水浴びや料理などを何とかまかなう日々。
事業地の農家さんのお宅は水道がない家が殆どで、皆さん近くの池や川から水を引いているのですが、それらも軒並みカラッカラ。大きめの池や川、水が湧く池が近くにある方を除いては、皆さん、少ない現金収入の中から、水代をなんとか捻出して水屋さん(売りにくる人がいる)から買うなどして、しのいでいました。雨乞いをする気持ちがよく分かるというか、本当にもう、雨を天に祈るしかない。そんな毎日でした。
最近、雨季がスタートした感じがあり、1日に数時間雨が降るようになり、カラカラの大地がゴクゴクと水を飲んでいるようです。雨季には冠水する日もあるのに、うまくいかない水のコントロール。悩ましい問題です。
水不足からの電力不足
もうひとつ、今年、大変だったことは電力不足でしょう。この暑さの中、電力も足りないというダブルパンチ。カンボジア電力公社によると、乾期の異常な暑さによる電力需要の急増や、水不足により水力発電に影響が出ていることが原因で電力が足りず、首都・プノンペンでは毎日午前か午後、4~5時間の計画停電が継続中です(3月中旬~5月末の予定)。事業地・コンポンクダイもいつも以上に電力が安定しませんでした。(ただし事業地では電力に頼って生活している人がいないので、水ほどの大きな影響はない)
月に数回、プノンペンに出張している時なんかは、停電が始まると「ああ、始まったな~」という感じで、停電していないエリアのカフェに避難して仕事をしていました(計画停電なので、停電していないエリアがある。「計画」と言っても、予告なしに計画と違う日も多いですが笑)。信号も含めて停電するので、信号が点灯しているかどうかで、停電エリアかどうかを判別していました。信号が毎日停電って、日本ではあまり考えられないことですが、こちらでは残念ながら元々信号を守っている人が少ないので、日本ほどの影響はないようです。いいことではありませんが。
この電力不足の背景には、プノンペンを中心に急速に進む中国などの外国企業の進出に伴い、電力が賄いきれない面があるのではないか、という声も聞かれており、雨がなかなか降らないという気候の変化とあわせて、来年以降のことが今から気になるところでもあります。
事業地では水へのアクセス改善のため、「ため池」を掘削する予定がありますが、以前より大きめ・深めのため池を掘削して雨季に貯蓄可能な水量を増やすなど、対策を検討中です。
寄稿している「EXPAT by クーリエ・ジャポン」では、シャワー中に断水した日の苦い思い出を書きました。 EXPAT記事の一番下にはハートマークがあり、クリックで記事を応援することができます(Facebookのいいね!みたいなものです)。ぜひとも「ハート・クリック!」よろしくお願いいたします。 |