要請書の記事一覧

2月8日にJICA理事長宛に提出した、「プロサバンナ事業の州農務局長の発言内容」に関する公開質問状について、 こちらのページで以下のとおりご報告しました。

「JICAからは全部で『8回』もの回答を受け取りましたが、結局、 真摯な回答をいただけないまま、すなわち、現地で起きている人権侵害に対応されないまま、昨年来『外務省の判断で止められていた』はずの事業が「再開」されています」

この結果、8月に入り、モザンビークの市民社会組織より、モザンビーク政府による「録音提供者」の「犯人探し」が始まっているとの連絡が入り、「物的証拠(録音)があれば人権侵害に対応する」と約束した外務省の国際協力局長宛に対応を要請すべく「緊急要請」を提出しました。
この要請は、後日河野太郎外務大臣にも共有されています。
(「約束」については2017年12月13日開催のODA政策協議会の議事録をご覧ください。)

これに対する、外務省からの「ゼロ回答」ともいえる返信が届いたため合わせて掲載いたします。貴重な市民の血税を使って行われていることの実態をぜひご覧ください。

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20171226-palestine-jerusalem-1.gif要請文(PDF)

トランプ米大統領による、エルサレムをイスラエルの「首都」と認定する発表は、イスラエル占領下に苦しむパレスチナ人だけでなく、国際社会で大きな反発を呼んでいます。
日本政府は国連安全保障理事会および総会で、「首都認定」を非難する決議に賛成票を投じました。しかし、総会での発言を控えるなど、エルサレムへの米大使館移転を「国際法違反」と明言する英仏独と比べて、後ろ向きな対応に終始しています。

私たちJVCは、占領に反対し、パレスチナの人びとに寄って人道支援活動を続けてきた市民団体として、日本政府に対して以下の要請文を提出しました。

=============以下、要請文=============
外務大臣
河野 太郎 殿
<要請文>
トランプ米大統領 による「エルサレムはイスラエルの首都」認定に対して 日本政府に反対の意思表示を求めます

今月 12月6日、ドナルド・トランプ アメリカ合衆国大統領によるエルサレムをイスラエルの首都と認定した発表は、パレスチナ、イスラム諸国に限らず、国際社会からも大きな怒りと衝撃をもって受け止められました。私たち日本国際ボランティアセンターは、25年以上パレスチナで草の根支援を続けてきた市民団体として、このようなアメリカの発表に強い憤りを覚えます。

エルサレムはユダヤ教だけでなく、キリスト教、イスラム教にとっても極めて重要な聖地です。国際法上 、東エルサレムはパレスチナ自治区の一部であり 、今回のアメリカによる「首都認定」は、イスラエルによる東エルサレムの併合を追認するものでしかありません。エルサレムの帰属問題は交渉による解決を待つべきとするのが国際社会の共通認識であり、イスラエルが単独で所有する権利はどこにもありません。

東エルサレムでは、イスラエルによるパレスチナ人の人権を剥奪する行為は止むことがなく、土地収奪、家屋破壊/侵入、移動制限、強制逮捕、日常的な嫌がらせ等、日々横行する人権侵害の例を挙げればきりがありません。今回のトランプ大統領の発表に対する一連の抗議行動は決して一時的、突発的な反応ではなく、パレスチナ人がこのような暴力を恒常的に受け続け、忍耐が限界に達した結果として起きたものです。パレスチナ人による抗議行動は未だ収まらないばかりか、イスラエル兵による攻撃で4人のパレスチナ人が亡くなり、さらなる暴力の連鎖が予想されます。

また、イスラエルによる封鎖状態が続くガザ地区は、未だ人々に非人道的な暮らしを強いています。極度の電力供給不足により、病院機能の麻痺、汚水の海への垂れ流し、それによる伝染病の増加、(脱塩装置を動かせないことによる)飲料水の供給不足が続き、国境の開放も進まず、人道的に見過ごせない状況にあります。そして今、アメリカの発表を受けて、パレスチナ人による抗議行動とそれに対するイスラエル側からの攻撃が続いています。既に大きく疲弊しているガザの人々を更に混乱に陥れ困窮させる今回の発表は、人々から未来や希望を信じる力を失わせるものです。

このように、アメリカによる「首都認定」は、現地に住むパレスチナ人たちが尊厳を完全に無視された状態を固定化する行為であり、イスラエル・パレスチナの和平に向けた道をも閉ざしてしまうものです。

日本政府はこれまで、パレスチナ難民そしてパレスチナ人を根気強く支援し続けてきました。その立場から、中東地域ひいては世界の平和を乱すこの度の「エルサレム首都認定」に対し、強く反対の意思を示すことを要請します。

2017年12月22日
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)

JICA環境社会配慮ガイドラインの見直しについて検討するためのレビュー調査に対し、8月28日に要請文を提出、これを受けて9月1日にJICA環境社会配慮助言委員会における議論に参加いたしました (詳細はこちらをご覧ください。https://www.jica.go.jp/environment/advice/)。

この議論から、見直しプロセスの全体の方針や計画が明らかではないままに、12月にコンサルタント契約を行い「レビュー調査」が実施されることが分かり、JVCは9月15日に追加要請を行いました。

これについて10月13日に開催された助言委員会に参加しています。

本件については、今後もフォローアップしていきます。

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2010年に「JICA環境社会配慮ガイドライン」(以下、ガイドライン)が制定されています。JICAのホームページには、「開発事業が環境や地域社会に与える影響を見極め、その回避または最小化のための方策や補填に必要なコストを事業の中に組み入れる必要があります。」とあります。そのために、JICAの責務と相手国政府に求める要件が定められたものがこのガイドラインです。
(概略については、以下を参照ください。 https://www.jica.go.jp/about/report/2012/ku57pq00000sc3za-att/46.pdf

現行のガイドラインの策定・改定にあたっては市民社会からの積極的な関与があり、国際水準のガイドラインが制定されNGO-JICA連携の好例となっています。

そして、制定10年以内にレビューおよび必要に応じて改定を行うことも定められています。しかし、一部の開発対象国の市民やNGOからは、ガイドラインの遵守の観点から問題が指摘されている案件や、影響住民による異議申し立てが行われた案件もあるなど、ガイドラインの運用については課題が見受けられます。そのため、JVCを始めとする4団体は、8月28日にJICAに添付の国際協力機構(JICA)の環境社会配慮ガイドライン改定を検討するためのレビュー調査に対する要請文を提出しました。
それについては環境社会配慮助言委員会の中でも話し合われています。
(助言委員会についてhttps://www.jica.go.jp/environment/advice/

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ODA政策に関するNGOと外務省の対話の場として設置されたODA政策協議会のNGO側のコーディネーターが連名で、外務省に対して「TICAD参加予定のNGO職員に対するビザ発給問題に関する要請」を発出しました。JVCは代表の谷山が、本協議会のコーディネーターを務めています。モザンビーク政府に対してビザ発給拒否理由の開示および発給拒否撤回の要請を求めるとともに、本件に関する「当事者」として外務省の姿勢を示すことを強く求めてます。

本件については8月16日までに、モザンビークで実施されているODAのプロサバンナ事業に対する提言活動を行ってきた4団体でプレスリリースを発出、また「市民ネットワーク for TICAD」から要請書を発出しています。

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日本のアフリカ外交の柱であるTICAD(アフリカ開発会議)の閣僚会議が、今月下旬(24~25日)にモザンビークの首都マプートで開催されます。アフリカ諸国の大臣の他、河野太郎・新外務大臣も出席される予定であるとともに、アフリカや日本の市民社会組織(NGO)や日本企業各社も多数参加予定です。

この会議に、日本の市民社会代表の一人として参加するはずだったJVCの渡辺が、8月10日付でビザの発行を止められ、モザンビーク政府に入国を拒否されています。

これを受けて、JVCは、TICADに対する活動を行っている「市民ネットワーク for TICAD」として発出された声明に賛同しました(賛同団体数:日本=14団体、海外7団体→ 9月6日更新:8月31日現在で、日本=26団体、海外44団体)。

今回のVISA発給禁止は、日本の一団体あるいは市民社会の言論弾圧や活動妨害にとどまらず、モザンビークにおいて実施されているODAのプロサバンナ事業への提言活動における現地のパートナーである小農団体や市民社会組織に対する弾圧がさらに進んでいく可能性があります。ぜひご関心をもっていただき、情報を拡散していただければ幸いです。

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日本政府による渡航制限により、JVCをはじめとする多くの日本のNGOが、南スーダンやアフガニスタンなど支援が必要とされる現場での活動に大きな制約を受けています。

こうした状況を受けて、JVCや、JVCも参加する「NGO安全管理イニシアティブ(JaNISS)などNGO20団体にて、「南スーダン等支援現場への渡航制限による人道支援の空洞化とその改善への要望」を各政党に提出いたしました。要望内容は以下になります。詳細は下記より、是非ご参照いただければと思います。

支援が必要とされているにもかかわらず、届けられないという状況をできる限り早く解消できるよう、この提案書ももとにしながら、今後とも、様々な方面への働きかけを行っていく予定です。

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12月7日にJICA宛てに発出した「【緊急抗議・要請】JICAによるモザンビーク農民・市民社会来日者への弾圧の試みについて」に対し、12月20日付けでJICAからFAXで送られてきた返答は 実質上「ゼロ回答」としか言えない内容でした(リンクはこちら

この回答・対応では、現地の農民たちの人権を守れないことが懸念され、12月27日に、外務省・JICA宛てに再抗議・要請文を提出しました。次回の回答締切を1月17日としています。

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JVCはプロサバンナ事業の問題への対応に関連して、この11月に、他団体とともにプロサバンナ事業対象地であるナンプーラ州の小農組織リーダー2名と、プロサバンナ事業の問題に対する政策提言に関わってきているモザンビーク市民社会組織メンバー1名を招聘しました。その目的には、事業下で起きている現地の人権侵害について、状況を改善すべく日本社会に広く訴えることも含まれていました。そしてこのことは、イベントの案内等を通じて、日本政府(JICA・外務省)にも伝えていました。

それにもかかわらず、JICAは上記3名の来日に合わせてモザンビーク農業省元副大臣(現プロサバンナ担当官)を含む政府関係者2名を、あえて招聘、これに加えて在日モザンビーク大使等を含む、政府関係者4名を、上記3名が登壇するイベントに参加させるべく画策しました。

すでに現地で人権侵害が起きているなかで、その問題を解消すべく現地の農民や市民が発言する場に政府関係者を参加させる行為は、当事者にとって弾圧・脅迫・を意味します。現地の農民、市民が政府関係者より脅迫を受けていることを知りながらのJICAのこうした行為は、断じて許されるものではありません。

この事態を受け、JVCは他団体とともに12月7日に抗議声明・要請書を日本政府に提出しました。これに対し12月20日に出されてきた回答は大変残念ながら全くそれに応えるものとなっていませんでした。

このため、声明に書かれているとおり、十分にお応えいただけなかった際の対応として、当該声明を、JICAからの回答とともにここに公表させていただきます。

これらの行為は日本国民の貴重な税金を使って「支援・援助」と称して行われています。

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JVCは2013年度以降、モザンビークで推進されている日本のODA事業であるプロサバンナ事業への提言活動を進めてきました(提言活動の詳細についてはこちらのページをご参照ください)。

JVCは、日本政府並びにJICAに対して、「マスターフランドラフト素案」とこれに関するモザンビークの「農村公聴会」について、素案の共有の仕方や公聴会開催プロセスの見直しを要請する緊急声明を他団体と共同で作成し、4月18日に表明しました。

その後、4月20日より現地農村部で公聴会が開催され、現地農民を含む市民社会組織が参加、日本のNGOからもJVCスタッフが参加しました。この公聴会のあり方に問題が多かったことを受けて、公聴会のやり直しを求める声明を他団体と共同で作成し、5月1日に表明しました。

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