2020年12月25日から公開スタートする映画『GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生』。教育、特に女の子も教育を受けることの大切さについて、90歳を越えた身である彼女自身が通えなかった小学校に挑戦することで訴えるケニアのプリシラ・ステナイさん(愛称"ゴゴ")。そんな彼女の奮闘を追いかけたドキュメンタリーです。
JVCも各地で教育を通してサポートをしている団体として、本作が一人でも多くの人に届くように応援させていただくことになりました!サポーター決定のお知らせは下記をご覧ください。
![]() ドキュメンタリー映画『GOGO 94歳の小学生』応援団体になりました! |
ストーリー

この映画の舞台はケニアで、94歳の「ゴゴ」おばあちゃんが小学校に通い、子どもたちと同じように勉強して卒業試験に挑む物語です。 「ゴゴ」はカレンジン語でおばあちゃんという意味で、彼女の名前はプリシラ・ステナイといいます。
ゴゴは、3人の子ども、22人の孫、52人のひ孫を持ち村の助産師として暮らしていました。ゴゴがなぜ小学校に通うことを決意したのかというと、学齢期のひ孫(女子)が学校に通っておらず、自らも幼少期に勉強をさせてもらえなかった経験からでした。 教育の大切さを皆にも実感してほしいと、6人のひ孫(女子)とともに小学校に入学しました。
小学校に入ったゴゴには様々な試練がありました。高齢によって耳は遠くなり、目の具合もどんどん悪くなっていきます。一番前の席に座って授業を受けますが、それでも授業についていくのに一苦労です。
それでも教師や子どもたちの応援を受け、卒業試験まで猛勉強するゴゴ。そしてゴゴの小学校生活の中から見えてくる、ケニアの教育事情。そもそも、なぜ学校に通えない子どもたちがいるのか。貧困、親世代の価値観、学校の設備不足など、様々な要因があることに気づかされます。
彼女のリアルな人生に触れる
劇中では説明的なナレーションも、ケニアや世界の教育の現状を語るデータの提示なども一切ありません。脚本もなく、カメラやスタッフが邪魔にならないように注意しながら、ゴゴやそのまわりの人々のありのままを伝えていきます。
クラスメートの子どもたちにも、カメラ目線にならないようにだけお願いして、あとは普通に過ごしもらったそうです(でも時たま見てしまう子がいるそうで、それも子どもらしさが感じられてかわいいですよね!)。
そのような描き方だからこそ、彼女が教育を、特に女性が教育を受けられることの大切さを信念をもって体現し、まわりの人々にも訴えかけ続けていること、その信念の強さが私たちの心に迫ってきます。
映画が終わっても現実は終わらない

本作のパスカル・プリッソン監督は「私の作品はただの映画ではなく、その後も続いていく人間的な冒険なのです。」と表現しています。
現在のゴゴの今のモチベーションは建設されたばかりの小さな診療所にあるのだそうです。そこは、家族に拒絶されて学校に通えなくなった若いシングルマザーのための避難所であり、ゴゴが助産師の知識を伝えることができる平和の場所です。 彼女は、月曜日から水曜日まで学校に行き、週の他の日は診療所で少女たちの教育に専念する予定です。
映画ではゴゴの挑戦のほんの一部を切り取られていますが、今現在も彼女は新しい目標に向かってエネルギッシュに過ごしています。 そしてまた、ケニアをはじめとした世界各地での問題も、映画を見終えたとしても終わりません。
教育が人々の可能性を広げる
JVCもいくつかの教育を通した支援を行っています。そのなかの一つ、アフガニスタンで教育の機会を得られなかった人々のための識字教室があります。
紛争による治安悪化、またタリバン政権時代に女子教育が禁じられた影響などで教育を受けられなかったことなどにより、成人識字率は38.2%(男性52%、女性24%)で、UNESCOの2015年報告によれば160か国中155位と、最も低い国々の一つです。
識字教室の先生、ラジーア先生のクラスには母親であるマータバさんさんが通いました。彼女は治安が悪すぎて学校に行く夢が叶わず、自分の子どもには自分のような思いをしてほしくなくて、息子だけでなく娘たちも学校に通わせました。
娘のラジーアさんは優秀な成績で高校を卒業し、JVCの識字教室の教員に応募し、採用されました。そしてマータバさんに言いました。「お母さんはずっと読み書きを勉強したいと言っていたね、でも私たちの教育のために自身を犠牲にしてきた。私はお母さんのおかげで"教育を受ける"という自分の夢を叶えました。今度は私にお母さんの夢を叶えさせてほしい」と。
そうしてマータバさんも娘さんの教室で文字を学び、名前も書けるし、アルファベットも数字も読めるようになりました。
また、南アフリカではエイズ等の影響で保護者のいない環境に取り残される子どもたちをサポートする活動をしています。 困難な環境下で子どもたちは将来に希望が持てず、飲酒などの非行に走る若者たちがあとを絶ちません。
JVCはこうした負の連鎖を止めるため、ボランティアたちが運営する村の「子どもケアセンター」の支援を通じて彼らの学びや挑戦を支えています。また、バランスのとれた安心な食生活を送ることができるように、有機農業を通じた家庭菜園を子どもたちや村人に広めています。
ケイシャスくんもケアセンターの活動に支えられた子どもの一人です。ケイシャスくんは小さい頃に親を亡くし、仕事のない叔父夫婦のもとで育ちました。そのため、家庭内での支えが足りず、JVCが支援する子どもケアセンターへ通っていました。
ケイシャスくんには弁護士になるという夢があり、そのためにも大学入学を目指していました。ケアセンターのボランティアたちは、学校での勉強のサポートをしたり、悩みの相談に乗ったりと、彼を支え続けました。
そして2019年12月、ボランティアの方々の支援もあり、彼は念願の大学入学を果たすことができました! 孤児であっても、家庭環境が厳しくても、努力をすれば未来への可能性が開いていることを見せてくれました。後進の子どもたちにとっても大きな励みとなる出来事でした。
ひとつひとつのアクションが未来をつくっていく
ゴゴの信念、奮闘が映画となり世界の人々に届くことになったように、またJVCの活動地の人々の夢がまわりを後押しする力となっていくように、何かアクションを起こすことが人々の未来を変えていく力になります。
ぜひこの映画が一人でも多くの人の心に触れ、そして世界がよりよくなるアクションの輪が広がっていくことを願っています。
劇中写真について 作品タイトル:GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生 コピーライト:© Ladybirds Cinema 配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ 【12月25日(金) シネスイッチ銀座ほか全国順次公開】 公式サイト:https://www.gogo-movie.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/GOGOMovieJP
この活動への寄付を受け付けています!
今、日本全国で約2,000人の方がマンスリー募金でご協力くださっています。月500円からの支援に、ぜひご参加ください。
郵便局に備え付けの振込用紙をご利用ください。
口座番号: 00190-9-27495
加入者名: JVC東京事務所
※振込用紙の通信欄に、支援したい活動名や国名をお書きください(「カンボジアの支援」など)。
※手数料のご負担をお願いしております。
JVCは認定NPO法人です。ご寄付により控除を受けられます(1万円の募金で3,200円が還付されます)。所得税控除に加え、東京・神奈川の方は住民税の控除も。詳しくはこちらをご覧ください。
遺産/遺贈寄付も受け付けています。詳しくはこちらのページをご覧ください。