広報担当の大村です。少し前ですが、2月23日、講談社クーリエ・ジャポンと元NHKアナウンサーで、ジャーナリスト堀潤さん主宰のGARDENとのコラボで、「南スーダン現地派遣職員 緊急報告会」を開催しました。「GARDEN」は、JVCのようなNGOや、地域のために活動している公益事業者を発信で支えてくれる頼もしい存在!今回はJVCが南スーダンで緊急支援を行い、職員が現地と日本を行き来していることを知った堀さんが、「多くの方に知ってもらうべき情報だ」と一緒に企画をしてくださり、更にはクーリエ・ジャポンさんとつなげてくださったのでした。
満員の会場
さて当日、告知期間が限られていたにも関わらず、160名の方のお申し込み、そして10社を超えるメディアの皆さんにお越しいただきました。当時の日本は、「南スーダンPKO自衛隊『日報』問題」が連日ニュースで大きくとりあげられ、現地で起きているのは「戦闘なのか、衝突なのか?」そんなことが議論をされている時期でした。
この日はスピーカーのJVC人道支援/平和構築グループマネージャーの今井のほか、聞き手として堀潤さん、そして講談社『現代ビジネス』ゼネラルマネジャーの瀬尾傑さんにもご登壇いただきました。
現地で起きていたことは?
今井は10年にわたり、スーダン、南スーダンに駐在し支援を続けてきました。2016年7月の南スーダンでの紛争後も、9月には現地入りしていた数少ない日本人です。
今井は言います。「『武力衝突か、戦闘か』なんて、現地にいる者から見れば『言葉遊び』にすぎない」と。今井の長年の友人たちが住むジュバでは、戦闘地域とその周辺の住居が破壊され、略奪やレイプが横行。犠牲者は三百人と言われていますが、実際の数は誰にもわからず、千人以上とも言われています。ジュバでの戦闘のあと、戦火は南側に100キロ以上も離れたウガンダ国境やコンゴ国境の方面にも拡大していました。そうした地域の出身の方々に今井がインタビューした中で、親族が誰も死ななかったという人はまずいなく、中には「いきなり武装したグループが入ってきた。殺された村人の死体は切り刻まれ、家に投げ込まれて火をつけられた」と言う方もいました。
JVCの緊急支援
そんな中今井は、築いてきたネットワークを生かし聞きとり調査を実施。第一次支援として9月には、最も深刻であった食料支援として約300世帯1,400人に対してトウモロコシ粉や食用油、塩などを配布したほか、最低限の生活物資として蚊帳や衣類などの支援を行いました。支援詳細:https://www.ngo-jvc.com/jp/projects/sudan/2016emergency.html
資金に限りがある中、JVCが行えた支援には不十分な部分もあり、物資を受け取る方からは「どうして(おかずの)豆がないんだ」との声もあがったそう。それでも今井が、「日本から持ってきたお金は、これで全部なくなってしまった」と正直に伝えると、皆さん「これだけでも、嬉しいよ。助かる。ありがとう!」大きく笑いながら受け取ってくださったそう。今井はいつも、「明るく、裏表がなくサッパリとした気質の南スーダンの人が大好きだから、活動も続けられる」と言っていますが、そんな言葉の背景が少し知れるようなエピソードでした。
自己資金で活動するということ
JVCの南スーダンでの活動は、すべて皆さんからのご寄付で行われています。渡航制限がかかり、必要な時に入国できない可能性がある政府系資金には頼りきらず、民間(自己)資金で活動を行うからこそ、必要な時にスピーディに入国し、現地で聞きとりを行ったうえで内容を決定できる柔軟な支援が行えています。そんな事情を知っている堀さんからも来場者の皆さんにご寄付の呼びかけをしてくださり、当日はすべて合わせて9万円を超える南スーダン活動資金をいただくことができました。この場を借りて御礼申し上げます。
シリーズ化?!
多くの方にご来場いただき、大好評のまま幕を閉じたクーリエ・ジャポン×GARDEN×JVCコラボの第一弾。今後もより多くの方に活動地で得た情報を直にお伝えできるよう、定期的にイベントができると良いな、と思っています。
と、思っていたら本当にシリーズ化して第二弾を開催することができました!第二弾イベントの様子はこちらから
今回の「南スーダン現地派遣職員 緊急報告会」の様子は、クーリエ・ジャポンさんの記事としてもまとまっています。ぜひどうぞ。
http://courrier.jp/news/archives/83985/
この活動への寄付を受け付けています!
今、日本全国で約2,000人の方がマンスリー募金でご協力くださっています。月500円からの支援に、ぜひご参加ください。
郵便局に備え付けの振込用紙をご利用ください。
口座番号: 00190-9-27495
加入者名: JVC東京事務所
※振込用紙の通信欄に、支援したい活動名や国名をお書きください(「カンボジアの支援」など)。
※手数料のご負担をお願いしております。
JVCは認定NPO法人です。ご寄付により控除を受けられます(1万円の募金で3,200円が還付されます)。所得税控除に加え、東京・神奈川の方は住民税の控除も。詳しくはこちらをご覧ください。
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