私はこの夏、自身の夏休みを利用してJVCの3つの事業地にお邪魔しました。
事業地に行くのは初めての経験です。
今日から3カ国を3回に分けて「インターン現地訪問記」として掲載します。
第1回目はラオス。JVCのラオスの事業地は南部のサワナケート県です。出張中の東京事務所の平野と、現地スタッフのレノルが案内をしてくれました。
お昼時に到着したため、まずは昼食。おいしいと評判だという焼き鳥屋さんに連れて行ってもらいました。「どの部位から注文しようかな」なんて事を考えながら席に着きましたが、ここでびっくり。部位を選ぶ必要はありませんでした。
写真をご覧頂くと一目瞭然ですが、ラオスで焼き鳥といえば1羽を丸焼きにするんですね。日本の、串にささった一口大の焼き鳥を勝手に想像していましたが、いま一度「焼き鳥」という料理名を考えてみると、何だかラオスの食べ方の方が「焼き鳥」っぽいなあ、なんて思ったり。ちなみにラオスで人気の部位は爪先との事。どんな味なのかまったく想像できないまま口に運びましたが、コリコリして歯ごたえがあってとてもおいしかったです。
そして焼き鳥を一通り堪能した頃に登場したのが、コオロギ!昆虫を食べるのは初めてです。見た目はかなりワイルドですが、食べてみるとハーブが香るお上品な味にびっくり。写真で見ると「これを食べるの?」と思う方も多いと思いますが、おいしいです。ラオスに行ったら是非どうぞ。
お腹も満ちたところで、JVCが活動している村へ。ラオスでは村の人々の暮らしは森に支えられていること、また、JVCは開発が進み減少しているその森の保全にとりくんでいることを聞き、強い興味を持っていました。今回私はその現状を自分の目で見たいという希望で、現地を訪問しました。
村に入ってまず目に入ったのが地面に落ちている何かのかたまり。色々な場所に落ちています。近くに寄ってみると、それはたけのこの食べかすでした。村人は森に入ってたけのこをとり、よく食べているとのこと。(そしてそのまま外に捨てるそうです)色々な場所に落ちているため、たけのこを食す機会が多いことがうかがえます。
次に目に入ったのが住居です。立派な屋根付きの家もあれば、ほとんど壁のないオープンな家まで。中でもひときわ目立っていたのがこの家、屋根以外が全て葉っぱでできた家でした。家を作ったのはこのお母さん。女手一つで3人のお子さんを育てているそうです。葉っぱも枝も森からとってきたとのこと。ここでも森がキーワードになっているな、と感じました。お鍋に何か入っていたので中身を聞くと、今日の夕飯、たけのこスープ!このお母さんも毎日森でたけのこをとっているそう。
時間の関係で村に滞在できたのは1時間弱でしたが、この短時間の滞在でも、ラオスの村人の生活が森に直結していることを実感するには充分でした。森でとった枝や木、葉っぱを使って作った家に住み、森でとった食材を使って日々料理をしています。村の子どもたちは木に登っておやつに果物をとっていました。
「森の減少が問題である」よく聞く言葉ですし、頭では理解していましたが、普段日本で特に不自由なく生活している私にとってはなかなか実感が難しい言葉でした。けれども村の様子を実際に見ると、日々の生活において森林の減少が問題であることは間違いないと確信しました。森がなければ木が生えません。家を建てるための枝や木、葉っぱを集めることができなくなります。また、当然たけのこも生えなくなりますので、毎日の食卓に大きな影響が出るでしょう。もちろんたけのこだけでなく、例えば私が昼間に食べたニワトリやコオロギも、森がなかったら手に入れることが難しい食材だと言えます。そのほか木の実やキノコなど、口にしているほとんどのものを森から調達している環境において、森の減少による食生活へのダメージははかりしれないものだと感じました。
ラオスの森と生活のつながりは自分の想像をはるかに超えるものでした。「森林の保全」という自分にとって少し遠かった言葉を、肌で感じる良い機会となりました。
帰国してから「森」と聞くと村に落ちていたあの大量のたけのこの食べかすや葉っぱでできた家を思い出すようになりました。あの森は日々の生活に直結しています。森がなくなるのは日本に置き換えるとスーパーや八百屋、商店街がいっぺんになくなるようなものなのです。"百聞は一見にしかず"。自分の目で村の生活を見て、ラオスの森と村人との関係、そして開発などにより減少傾向にあるその森を保全することの重要性を改めて認識することができた1日となりました。
ラオス事業へのリンクは、こちら
インターン現地訪問記(2)【南タイ編】は、こちら
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