3月11日、南相馬市を後にして向かったのは宮城県伊具郡丸森町。丸森町の筆甫地区は福島県に隣接し、原発事故後も県境を越えて放射能被害のあった地域です。筆甫地区は福島県と同等の被害があったものの、補償の点では県の違いから福島県内と同等の補償を獲得するのが難しかったと言います。筆甫地区まちづくりセンターの吉澤さんは地域住民の補償を獲得するために住民と共に粘り強く東京電力に対して交渉を続けてきたと言います。(詳細はこちらの記事をご参照ください)
午後は筆甫地区を歩いて、この地域の名産物だったキノコ栽培をしていた農場や県境を訪れました。地震のあった14時46分、黙とうをささげて、私たちは福島市に向かいました。
12日、13日は「市民が伝える福島 世界会議」に参加しました。世界各国で原発建設が計画されている地域、もしくはすでに原発が稼働している地域のNGO・活動家が福島市に集い、福島原発事故からの教訓を学び、各国で今後どのような活動を展開するのかについて討論を行いました。特に印象的だったのは、「市民が日常的に放射線量を計測する」という取組みです。市民が自分の手で状況をしっかり把握して、判断をほかの人(政府)に任せないということが重要だとの指摘が日本の研究者の方からありました。
タイの参加者からもタイの現状をお伝えしました。今回の訪問を通じて、反対を主張し訴えるだけでなく、推進派の考えも十分に把握したうえで、原発のメリットとリスクをきちんと判断できるようにすることが重要だという点を述べました。
JVCでは2015年度に福島原発事故の経験と教訓について多くのタイ市民が学べるよう、福島で復興と再生に取組む方をタイにお呼びしタイ市民社会に発信するセミナーを開催する予定です。