こんにちは。南タイ事業担当の樋口正康です。
5年間のカンボジア現地駐在を終え、今年4月から南タイ事業担当として東京事務所に赴任しております。
しばらく更新していなかった「在タイ・ビルマ人支援最新情報」ですが、また再開したいと思います。
南タイでは、JVCの活動実施協力団体であるFED(Foundation for Education and Development)がビルマ人労働者(ビルマ族以外の部族も含む)コミュニティで医療支援活動を実施しています。実施内容は、緊急時に対応する救急医療サービスの提供と、地域住民の健康管理を促進する健康教育の普及活動です。
2013-2014年度はFEDのスタッフ体制に大きな変更がありました。長年勤めていたFEDスタッフ数名がビルマ/ミャンマー国内に戻ったこともあり、新しいスタッフが加わりました。新しい血が入ることはとても重要なことである一方で、長年活動してきた職員が抜ける影響もはかり知れません。ビルマ国内の部分的な民政移管が進んでおり、ビルマ人労働者の取り巻く社会環境にも変化が今後でてくるかも知れません。
今回の現地通信では、本年度の活動に臨むFED職員の自己紹介をしたいと思います。

私の名前は、ダウレディと言います。1973年に生まれました。
ビルマ/ミャンマー南部のダウェイ出身ですが、長い間タイに住んでいます。
2005年から2009年まで国境なき医師団で働いていました。国境なき医師団では、ビルマ語とタイ語の通訳と健康教育の担当をしていました。2009年からFEDで働いており、同じく通訳と健康教育を担当しております。みなさん宜しくお願いします。

スウェスウェミンといいます。
私もダウェイ出身です。ビルマで生まれましたが、タイに住んでもう16年にもなります。
1998年~2001年までは、現在の活動地であるパンガー県の個人経営の医療クリニックで働いていました。そこでタイ語を学び、保健医療の基礎を身につけました。2001年~2005年まではワールドビジョン、2006年~2009年までは国境なき医師団という団体で健康教育担当として働いていました。ビルマ人労働者とその家族を対象に、これまでHIV・エイズ、結核、性感染症についての意識喚起をしてきた一方で、これらの病気を患う人々と一緒に仕事をしてきました。その他には、過去にコンドームを生産する工場で働いたこともあります。コンドームがどのように作られ、どう使うのかもその時に知りました。健康教育担当として、この経験は意味があると思います。これまでの経験を活かして、本年度も頑張りたいと思います。

僕の名前は、ミンミンテインです。
モン州の出身です。タイに来たのは2003年のことでした。実は、ブローカーを経由して、タイに入国しました。
タイに来る前までは、8年生(中学校2年)まで教育を受けました。僕もビルマ人労働者として、ゴム農園で重労働に従事していた経験もあります。2008年にリーダーシップの研修を受けたことが転機になり、地域保健員の育成研修に参加することができ、現在に至ります。イギリス人看護士から応急救護を学び、タイ国内の医療に携わる団体からも研修を受けて、地域保健に関する技能を磨きました。これらの得た経験をビルマ人労働者コミュニティのみんなのために使い、小学校や地域での医療活動に従事していきたいと思います。宜しくお願いします。
今回は3名の職員を紹介しました。多くの職員のタイ在住歴が長いことが共通点ですし、自らが労働者であった職員もいます。在タイのビルマ人労働者の置かれている状況が、経験論からも痛いほどわかると思います。南タイで厳しい労働条件にも関わらず、頑張って暮らしているビルマ人労働者の方々。すこしでも安全な医療アクセスを確保、サービスの提供ができるようにスタッフ一同全力を尽くします。
次回も続いてスタッフを紹介します。