“SAFETY IS OUR NO.1 PRIORITY”(安全第一)と表紙に書かれた冊子を手にして、研修生やスタッフが教室に集まってきました。今日は、安全作業の講習会です。
JVC整備工場では幸いにもこれまで大きな事故は起きていませんが、小さな事故(ハンマーで指を怪我したり、バッテリーが破裂して破片が顔に当たったり)は決して少なくありません。大きな事故につながる前に未然に防ごうと、ウガンダ人整備士アニャマの提案で今回の講習会を行いました。
講習会には全員が参加アニャマが講師になり、テキストは彼がウガンダでの整備士時代に使っていた安全ハンドブックを拝借。ハンドブックの最初のページには次のように書かれています。
「整備工場の事故は、呪術師が遠くから『呪い』をかけているために起こるのではない。それは、整備工場の安全対策に問題があるから起こるのだ」
最初にこれを読んだ時に私は思わず笑ってしまったのですが、スーダンやウガンダでは、呪術の力はまだ一部で生きています。しかし、整備工場の事故には必ず原因があります。
「正しい使い方を知らない器具には触れてはいけない。必ず、整備士に使用方法の指導を受けてから使うこと。先日、バッテリー充電器の正しい使い方を知らないまま研修生が充電しようとして、バッテリーが破裂した。後から聞けば、接続の仕方が間違っていた。一歩間違えば大きな事故になる」
アニャマが、具体的な事例を挙げながら安全確認の大切さを説明していきます。
「安全を守るための用具も大切。作業中に履く靴は、重い機材を落としても鉄製の防護プレートが爪先を守ってくれる安全靴が良い」
説明が終わると、研修生からも様々な質問や体験談が寄せられました。
「車両をジャッキアップする時に、どこにジャッキを当てれば安定するのか、教えて欲しい」
「溶接作業の時にゴーグルを付けずに裸眼で作業をしたため、目が痛くてその晩はよく眠れなかった」
「希流酸を配合してバッテリー液を作る時は、マスクをした方が良いのではないか」、等々。
その場で議論した結果、安全靴の支給、バッテリー液配合時のマスク装着の義務付け、溶接用ゴーグルの導入、等々が決まりました。
防護マスクと溶接用ゴーグルさて、新しい安全靴が支給されると、みんな子供のように大はしゃぎ。しかし、翌朝になると何人かの研修生が泣きそうな顔をしてやってきました。「靴がもう壊れちゃった」えっ、たった1日で?
見ると、靴底を縫い付けた部分が剥がれてしまっています。なんという品質!?
幸いにも、壊れてしまったのはサイズが小さいために別メーカーから取り寄せた数個だけで、大半の靴は大丈夫です。壊れてしまった靴は洗濯をして汚れを落とし、販売店で違うメーカーのものに交換してもらいました。何事も一筋縄にいかないスーダンですが、これにて一件落着。
安全靴を手にして笑顔の整備士ボスコ・ヤカニしかし、靴をもらってはしゃいでいるばかりでは安全対策になりません。安全に作業を行うには、日頃からの心がけ、習慣付けが大切。翌日、バッテリー液の配合作業を見ると、なんだ、マスクをせずにやっているじゃないか。
こら、自分たちで決めたことをちゃんと守らんか!
マスクを付けてバッテリー液の配合を行う研修生イペ・モーゼスこの活動への寄付を受け付けています!
今、日本全国で約2,000人の方がマンスリー募金でご協力くださっています。月500円からの支援に、ぜひご参加ください。
郵便局に備え付けの振込用紙をご利用ください。
口座番号: 00190-9-27495
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