前回の「スーダン便り」では、年末年始に訪れたウガンダ国境に近いカジョケジ村の様子をお伝えしましたが、今回は、カジョケジ村への往復のエピソードです。
人と荷物を満載して南部スーダン各地へ向かいます村へ行くには、まずジュバから南に下ってイエイという町に行き、そこから更にウガンダ国境を目指します。この道(イエイ・ロード)は物資輸送の大動脈なのに、未舗装で路面はデコボコ、穴だらけ。途中何ヶ所かある小さな橋は、いまにも崩れ落ちそうです。
私が乗ったのと同じタイプのミニバス 私が乗った大型バスもスピードが出せずゆっくり、ゆっくりと進んでいきましたが、イエイまでの間に2回もパンク!2回目のパンクではスペアタイヤがないため後輪(両側に2本ずつ付いている)を1本外して前輪に付け替え。これって安全なの?!ドライバーもリスクを感じたのか、その後はタイヤにダメージを与えないように亀のようなノロノロ運転で、結局イエイに着いたのは夜の8時。160キロを走るのに12時間かかり、乗客はみんなぐったり。
しかし、これだけでは終わりませんでした。ジュバへの帰途、大型バスに嫌気がさした私はイエイからミニバスに乗り込みましたが、このバスが悪かった!2時間ほど走っていきなり止まったと思ったら、エンジンがオーバーヒート。ドライバーがラジエーターに冷却水を入れると、シューシューとすごい勢いで水蒸気が噴き出します。と思ったら、あれ?車体の下から水が漏れてきたぞ!?ひょっとして、冷却水のタンクが漏れている!?
その後、冷却水漏れのバスはしばらく走るごとにストップし、水蒸気をシューシュー出しながらタンクに水を補充。手持ちの水がなくなると、通りすがりの村の井戸や小川を見つけて水を補充。そんなことを繰り返す間に後続のバスにも次々に追い抜かれ、こんな調子で一体いつになったらジュバに着くの?
そのうちにとっぷりと日も暮れ、夜8時、人里離れた森の中でついにエンジンが完全停止。エンジンスターターをいくら回しても、掛かりません。「どうする?」「『押しがけ』するしかない。みんなで押すんだ」赤ん坊を抱えた母親以外の乗客全員が外に出て「押せーっ!」。しかし、押しても押してもエンジンは掛からない・・・。そんなことを1時間以上繰り返すうち、乗客はみんな疲れ果て、真っ暗な道端に座り込んでしまいました。私も、衛星携帯電話でジュバのスタッフに状況を伝え、座り込みました。
「一体どうなるんだよ、俺たち。このままここで一夜を明かすのか?」みんな、そんなことを囁き合っています。「おいチャイナ。どうだ、今の感想は?」いきなり、隣の男性が話しかけてきました。ここでは皆、日本人を見ると「チャイナ」と声を掛けてくるのです。「別に驚いていないよ。この国の事情は分かっているから・・・それにしても、疲れたよ」「そうだ、みんな疲れてる・・この国は道路も、クルマも、悪すぎる。おい、もうこんなバスはあきらめて、後続のクルマが来たらつかまえて、それに乗ってジュバまで帰ろう」
しばらく待つと、運よくピックアップトラックがやってきました。交渉すると、ジュバまで乗せてくれると言います。「よし、行くぞ」私を含めて5人が荷台に飛び乗りました。赤ん坊を抱えたお母さんを含め、半分以上の乗客がバスに残りました。既に夜10時。あの人たちは一体どうなるのか・・・
トラックの荷台に揺られること2時間。「なんて星がきれいなんだ・・でも、なんてケツが痛いんだ」熱帯の夜空にオリオン座を見上げながら、ガタガタ道の振動に耐え、やっとジュバに到着したのは午前1時でした。その後、尻と背中の痛みは3日間取れませんでした。
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