ARV(エイズ治療薬)の記事一覧
前回お伝えした「エイズ治療研修」、前回の報告だけ読むとさぞマジメに研修を受けているように思えます。確かにみんな非常に熱心に研修を受けていますが、講師はいかに飽きさせないように情報を伝えていくか工夫をこらしていて、楽しい時間も用意されています。今回は音楽好きな南ア人ならではの一幕がありました。「エイズになった」と診断される基準となる病気の種類とその症状を歌に乗せて覚えようというのです。グループワークが行われ、各グループともゴスペルのメロディやラップのリズムに乗せて作詞したものを披露しました。たとえば・・・
ラップ調で⇒「帯状疱疹、腰の周りに発疹できて、ぐるっと一周するけれど、つながって輪にはならない、なぜならば、帯状疱疹 神経に沿ってできるけど、神経は ぐるっと一周 つながってないから。水ぶくれ、できるけど、治療できる。病院にいこう、病院にいこう」
ゴスペル調で⇒「カンジタ肺炎、カンジタ肺炎、肺の感染症のひとつです~、菌によって感染します~、症状は、咳が出て~、咳のときには背中がとっても痛いです~、そしていつもとっても疲れているの~、歩くのも困難で~、薬は●●を飲みましょう~」
去る9月9~20日、現地パートナー団体・LMCCのスタッフ、在宅介護ボランティア、子どものケアをするドロップ・イン・センターのボランティアに加えて、今回は初めて地域住民の方にも声をかけ、総勢60名を対象に、エイズ治療に関する研修を実施しました。
今回カバーされたトピックは、大人/子どものARV(エイズ治療薬)の服薬方法、母子感染予防、ARVの副作用や新しい薬の種類、HIV/エイズのステージ(症状によって4段階にわけられます)、体の構造と免疫機能など医学的な内容のほかに、栄養とHIV/エイズなど生活に関するトピック、ポジティブ・リビング(HIV感染と前向きな生き方・・といったところでしょうか)、ドラッグとHIV/エイズ、レイプとPEP(Post Exposure Prophylaxis:レイプをされた人の予防方法)など社会的な内容も含まれていました。
ボランティアたちにとっては昨年9月に続いて二度目の「フォローアップ研修」にあたります。このため研修内では、この一年間を通じて疑問に思ったことや困っていることが共有されました。
例えば、
「HIV感染した人とセックスした翌日にHIV検査を受けたら感染しているかどうかわかるのだったっけ?」
⇒No。一日では感染はわからず、あなたがすでに感染していないかぎりは「陽性反応」は出ません。
「初めて受けた検査でHIV/エイズのステージってわかるものなの?」
⇒Yes。症状や免疫力を表すCD4カウントの数値などの情報でわかります。
などなど様々な質問が出されました。
中には
「ARVを飲むと男性の胸が女性みたいに大きくなるってほんと?」
などという質問もありました。これは「Yes」で、南アフリカのHIV陽性者が現在服薬するARVの中にD4Tという薬が含まれますが、この薬の副作用として男性の胸が大きくなると報告されています。このため、現在TAC(Treatment Action Campaign)というHIV/エイズに関する課題に取り組む南ア最大のNGOが南アにおけるこの薬の使用を廃止していくよう政府に要求していますが、一方で、すでにD4Tを服薬して治療がうまくいっている陽性者も多くいるため、政府としてはすぐに廃止するのは難しいとしいています。実際、私たちが活動している村でもこの薬を飲んでいる陽性者の方がたがいらっしゃいます。
前回記事に書いた、1錠ですむARV(エイズ治療薬)が、4月1日から南アフリカの公的医療施設でも解禁になりました。
保健局の人に聞いたところ「リンポポ州を含め、9州全てで同時に配布がはじまっている」とのこと。
さっそく、活動地の患者さんに確認してみたところ、「私はもらえなかったけど、妊娠中のお母さんや子どもたちはすでに1錠のARVが配られているよ」と教えてくれました。
この教えてくれたおばあちゃん、以前は朝に1錠服用しなくてはいけない薬を、朝夕のんでいて、訪問介護のボランティアが薬の袋を分けるなど工夫して、数ヵ月かかって正しく服用できるようになった人。ボランティアさんは、1錠になったらまた混乱しないか、少し心配していました。
リンポポ州に行き渡るまでは時間がかかるかと思ったのに、意外な早さ。早く多くに人に行き渡るようになるといいですね。
1錠でいい。ARVに大きな変化(1)へ5月19日
昨日、1錠のみの服用ですむARV(エイズ治療薬)の配布がケニアではじまったとのニュースが飛び込んできました。
ARVは通常、2~3種類以上の薬を組み合わせて服用しなくてはいけません。それぞれ違う機能をもち、HIVウィルスを抑制します。しかし、複数のピルをのどに通さなくてはいけないことから、毎日かかさずにARVを服用する妨げになることがあります。
JVCの活動地でも、薬が複雑なことから服用をやめてしまった患者もいますし、訪問介護のボランティアの中にも、薬の組み合わせをなかなか理解できない人が多くいます。
ARVが1錠ですめば、継続してARV服用できる人が増える可能性が高く、大きな進展です。
これが南アフリカで、使えるようになるのは?
専門家にきいたところ、2013年の4月から、政府系のクリニックでの使用が予定されているそうです!ただし、多くの場合は東ケープ州から試行されるそう。なにかと、後回しになることが多いリンポポ州にも、早く届くといいけど・・。