こんにちは。エルサレム駐在員の山村です。
エルサレムに来てから1ヶ月ちょっとの時、地元の歯医者に通うという何とも貴重な経験をしたので、遅れ馳せながら皆さんに共有させていただきたいと思います。
それは春めいてきたある日、パレスチナ人のおたくでシロップ漬けのケーキをもらって食べていたとき、「これはまずい・・・」と自分の中で確かな危険信号を感知しました。前歯の様子がどうもおかしいのです。あたたかいものを食べても冷たいものを食べても前歯がズキッと染みるのです。「これは疲れからくるもので、ひょっとして少し我慢していたら良くなるかも・・・?」と自分を騙し、数日が経過しました。しかし、日に日に痛みが強まり、私の頭の中は、歯の痛みに始終占拠されることとなりました。「そろそろ歯医者に行かないと大変なことになる!」と、重い腰を上げたとき、ふと、パレスチナ側の歯医者はどうなっているのかしら?という疑問がわきました。小さな子どもでもたくさん虫歯があるのをよく見るけど・・。ただ、歯列矯正をしている人たちは沢山見かけるのです。ここまで教育レベルの高い人たちなので、きっと優秀な歯医者もいるに違いない・・・!というわけで、周りの外国人たちが「歯医者はさすがに医療設備の整っているイスラエル側で済ませたら?」とアドバイスをくれる中、パレスチナ側で歯医者を探すことにしました。
まずは、「歯が痛いんだけど・・・」と知り合いのパレスチナ人に相談してみると、そこにたまたま居合わせたパレスチナ人のおじさんが「じゃあ俺がアイザリーヤの歯医者に連れていってやる。エルサレムの歯医者は高くてしょうがない。安くてもそれなりの質のある歯医者があるから!明日○○時に集合!」と言うので、その次の日に彼と合流し、アイザリーヤ(JVCのプロジェクト地もあります。分離壁のヨルダン側西岸側・壁の内側・東は入植地、西と北は分離壁で分断されています)の歯医者に乗り合いバンで30分ほどかけて到着しました。すると、おじさんが急にバスを降り、とあるビルの一室にある歯医者めがけて一人走り出したかと思うと、すごい勢いでビルから戻ってきました。「もうやってない!帰るぞ!」と言うのです。「え!来たばかりなのに帰るの?しかもまだ午後の3時だよね?(しかもなんで朝に確認して来ないの・・・)」という私の質問をよそに、「また出直すぞ!」ということでまた同じ乗り合いのバンに乗って帰宅しました。
ちょうどその日に別の、いつも仲良くしているパレスチナ人姉弟のお宅にお邪魔して、ご飯を食べながら今日起きた出来事を説明すると、「歯医者に行ったら午後3時に閉まってたですって・・・?アハハ、それってあれね。研修医の実験台として安く治療が受けられるところじゃない?紹介者にもお金が入るから連れて行ったんだと思うわよ。危なかったわね、閉まっててよかったじゃない!アハハ・・・。」と、言うのです。私が真っ青になっていると、「ここが私が東エルサレムで通っている歯医者さん。とっても腕がいいし、あなたの事務所からも近いわよ。明日友達が行くって電話しておくわね。」と、東エルサレムにある歯医者の名刺をさっと渡してくれました。持つべきものは"信頼できる地元の人!"と、このときほど思ったことはありません。
(第二回につづく・・・)
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