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2013年7月 4日 【 東エルサレム・保健指導

東エルサレムの学校でのトレーナーのトレーニング

パレスチナ現地代表 今野 泰三
2013年7月 8日 更新
東エルサレムに建設された分離壁東エルサレムに建設された分離壁

現在東エルサレムで実施している学校地域保健事業では、地域の人々が自分たちの力で健康を守れるようになるための仕組みづくりに注力しています。そこで今回は、その取り組みの一つ、トレーナーのトレーニングという活動をご紹介します。

救急法の実習を受ける生徒たち。奥中央の男性はパートナー団体MRSのアブドゥッラー医師救急法の実習を受ける生徒たち。奥中央の男性はパートナー団体MRSのアブドゥッラー医師

トレーナーのトレーニングは、"Training of Trainer"の頭文字を取ってToTと呼ばれています。この活動では、東エルサレムの4つの学校に生徒が主体となる保健委員会を設置し、委員会を引率する教員とメンバーとなった生徒を対象に、健康教育と救急法のトレーニングを行っています。現在対象となっている4校は、男子校2校、女子高2校で、男子校のうち1校は分離壁によって東エルサレムから分断された地域にあります。

栄養に関するプレゼンの練習をする生徒。写真右奥は、MRSのドゥアー保健指導員。栄養に関するプレゼンの練習をする生徒。写真右奥は、MRSのドゥアー保健指導員。
歯科衛生に関するポスターを作成した生徒と記念撮影。JVCは、ポスター作成に使う画用紙やペンを提供しました。歯科衛生に関するポスターを作成した生徒と記念撮影。JVCは、ポスター作成に使う画用紙やペンを提供しました。

ToTのトレーニング終了後は、生徒たちがアイディアを出し合って、歯科衛生や健康的な食生活に関するポスターを作って掲示板に張り出したり、校内放送や朝礼で健康的な生活習慣や学校衛生の大切さについて発表したり、校内のゴミ掃除を働きかけたりして、他の生徒の意識向上を図っています。保健委員会のメンバーは専門的な救急法講習も受けているので、けがをした生徒に救急法の処置を担うことも期待されています。JVCとパートナー団体であるパレスチナ医療救援協会(MRS)は、委員会に参加した生徒たちの活動を側面から支え、アドバイスをしたり、文房具や救急バッグを提供したりしています。

男子校の廊下に張り出された喫煙の害を知らせるポスター。ポスターは全て保健委員会の生徒たちの手作りです。男子校の廊下に張り出された喫煙の害を知らせるポスター。ポスターは全て保健委員会の生徒たちの手作りです。

生徒がどのような動機で委員会に参加しているのか、参加者の男子中学生に聞いてみました。

「ここには救急車が来るまでとても時間がかかるし、学校に保健士もいません。友だちが怪我した時、自分で治療できるようになりたいんです。」

この学校では、校庭に分離壁が建設され、東エルサレムから分断されてしまいました。この村は、エルサレムからは近いですが、パレスチナ自治区の中心地からは離れています。救急車はかつてはエルサレム側から来られましたが、今は自治区の病院から舗装の良くない道を通ってやって来る救急車を待たなければなりません。また、自治区の学校には日本とは異なり、保健室や保健の先生もおらず、大怪我をしたときは救急車をずっと待つか、誰かの車で遠くの病院まで行かざるをえないのです。

ToTの講習を終え、朝礼で修了証を受け取る学生。中央はJVC今野。ToTの講習を終え、朝礼で修了証を受け取る学生。中央はJVC今野。
修了式の後は、保健委員会の生徒、担当教師、パレスチナ自治政府職員らと記念撮影修了式の後は、保健委員会の生徒、担当教師、パレスチナ自治政府職員らと記念撮影

JVCパレスチナ事業は、このToTの活動のように、いかなる困難な状況でも人々の希望と互いに支え合う力を信じ、それを支えながら、最終的には外からの支援を必要とない仕組み作りを目指して活動しています。

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