エルサレムに唯一ある難民キャンプ、シュアファート難民キャンプの地域社会施設「パレスチナの子どもたちのためのセンター」で開催された、救急救命法(以下、FA=ファーストエイド)の講習会に同行してきました。
今日は、全21時間の救急救命講習の第1回目で、キャンプ内の学校・幼稚園の先生や地域社会施設の職員など総勢20名ほどの女性が参加しました。参加者はみな積極的で、次から次に質問の出る活発な講習会となりました。
講習終了後、参加者からは、「素晴らしかった」「救急救命に必要な知識を学べて良かった」といった感想がありました。以下では、この講習の大まかな内容と、女性たちが講習に参加した理由をご紹介します。
【講習内容】
- アイスブレーキングと自己紹介
参加者に自分の名前を表す絵を描いてもらい、その絵を見せながら自己紹介してもらいました。 - FAの定義と目的
- 救急救命士の役割
- どのような状況でFAが必要か
- FAを行う際に必要な道具とは
- 救急車を呼ばなければならない状況とは
- 救急車を呼ぶ際に伝えること
- FAで行うべき基本的なこと
- Q&Aの時間
- バイタルサイン(生命兆候)とは何か?
- バイタルサインを確認する方法
- 救急箱の中身の説明
- まとめ
講習会の最初に描いてもらった絵をもう一度見せて、絵の意味を説明して もらいました。例えば、ハヤー(生命、人生)という名の女性は、海と波を描いていました。その理由は、波は穏やかな時もあれば激しい時もあり、それが自分の人生や性格のようだからということでした。
【参加した理由】
質問「なぜ今回の講習に参加しようと思ったのですか?」
答え
「幼稚園で子どもたちに何かあった時に、自分の手で救いたいからです。」
「狭い難民キャンプでは、自動車事故が多いし、イスラエル治安部隊との衝突も頻繁に起こるので、救急救命法の技術が必要とされているからです。」
「(建物の密集した)キャンプ内では救急車が入ってくるのが難しく、(分離壁でエルサレムから分離され、西岸地区側からも外れているために)到着にもとても時間がかかるからです。」
「キャンプ内には病院や医療クリニックの数が少ないからです。」
「自分の子どもたちに何かあった時に、自分で救急救命法を使って助けたいからです。」
「自分の働いている幼稚園にはMRSの配布した救急箱が設置されていますが、それを自分も使えるようになりたいからです。」
今回のような救急救命講習は、去年9月から11月末までに、東エルサレムの地域社会施設4ヶ所で計48人を対象に実施しました(一部継続中)。これらに加え、新たに地域社会施設1ヶ所と、今回講習を行った施設1ヶ所で、計40人を対象に講習を実施しています。それ以外にも、本事業では、学校生徒へのトレーニングの一環として、4つの学校でFA講習を行っています。今後さらに、地域で活動するFAチームのリーダー育成の一環として、エルサレムの大学2校でもFA講習会を実施します。
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