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2012年9月 5日 【 東エルサレム・保健指導

「東エルサレムにおける学校・地域保健事業」の3カ年事業が始まります

パレスチナ現地代表 今野 泰三
2012年9月18日 更新

JVCパレスチナ事業は、イスラエルに征服・併合され、分離壁で分断され、パレスチナ自治政府の行政サービスも行き届かないエルサレム地域で、学校・地域を対象に巡回医療と学校での衛生・健康教育を行ってきました。また今年9月からは、同内容の活動を行いつつも、現地の人たち自身が健康を守っていける仕組み作りにより焦点を当て、3年間の事業として新たなスタートを切ります。

この事業は、日本の外務省が実施している「日本NGO連携無償資金協力」の「中東・北アフリカにおける人づくり支援」からの資金援助を受けて実施されます。正式名称は「東エルサレムにおける学校・地域保健事業」です。

そのため今日(9月5日)は、ヨルダン川西岸地区ラマッラーにある「対パレスチナ暫定自治政府日本国政府代表事務所」の事務所へ出向き、署名式に参加しました。式典には、代表事務所から松浦純也パレスチナ情勢大使(英語名はAmbassador for the Palestinian Affairs)、JVCから私と金子現地調整員、さらにこの事業の大切なパートナーであるパレスチナのローカルNGO「パレスチナ医療救援協会(PMRS・MRS)」から、代表のムスタファ・バルグーティー医師の他、学校・地域保健事業を現場で率いるイスカーフィー医師やラミー医師など総勢7人が参加しました。

式典では、松浦大使からの簡単な挨拶と自己紹介の後、JVCと外務省の間で契約書が交わされ、その後は参加者全員での懇談の場となりました。懇談の場では、松浦大使からPMRS・MRSの参加者に対して東エルサレムの社会状況や団体の活動について質問が投げかけられました。

署名式での1枚。左からJVC金子、JVC今野、松浦大使、PMRS・MRSバルグーティー代表、エルサレム事務所長のハイデル医師、会計責任者のハーゼム氏署名式での1枚。左からJVC金子、JVC今野、松浦大使、PMRS・MRSバルグーティー代表、エルサレム事務所長のハイデル医師、会計責任者のハーゼム氏

PMRS・MRSの参加者からは、東エルサレムでは学校での健康・保健教育が十分に行われておらず、分離壁で孤立させられた村々への医療サービスも不足しているという問題点が挙げられました。他にも、東エルサレムではパレスチナ自治政府が運営する学校やイスラーム宗教省(ワクフ)が運営する学校の他に、イスラエルが運営する学校も増えていますが、そうした学校は自治政府やワクフが運営する学校よりも教育の質が低く、生徒が抱える問題にもきちんと対応していないため、退学率がずっと高いという問題が指摘されました。

PMRS・MRSの医師は次のように言いました。

「イスラエルが運営する学校では指導要綱や教科書はイスラエル政府が作成したもので、パレスチナの指導要綱や教科書で教わるわけではありません。イスラエルは学校をコントロールしたいだけで、きちんとした教育を与えていませんし、問題を抱える生徒を支えるような活動もしていません。

それでもパレスチナの少年少女がイスラエルの学校に通学するのは、エルサレムでパレスチナ自治政府やワクフが運営する学校にはイスラエルからの建設許可がおりず、教室の数も学校そのものの数が足りないため、イスラエルが運営する学校に行かざるをえなくなっているという実情があります。

結果として、そのような学校に通うパレスチナ人の若者の多くが学業を断念し、その代わりに西エルサレムで低賃金労働に従事するようになっています。」

(著者注:「西エルサレム」とは、1948年の第一次中東戦争でイスラエルが征服したエルサレムの西側部分を指します)。

本事業現場責任者のイスカーフィー医師(写真中央)本事業現場責任者のイスカーフィー医師(写真中央)

パレスチナの新学期は9月1日から始まりました。JVCのスタッフとPMRS・MRSの医療チームは今日もまた、東エルサレムの学校へと出向き、パレスチナの若者たちの健康と未来を支える活動を実施しています。

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