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健康教育:アイザリヤ

2009年4月 2日 更新
女の子たちに授業を行うアズバ保健指導員女の子たちに授業を行うアズバ保健指導員

JVCは医療救援協会(Medical Relief Society=MRS)とともに、東エルサレムの分離壁で分断、隔離された地域の学校などで、健康教育や巡回診療を実施しています。壁の“向こう側”=西岸地域の学校では、西岸出身の保健指導員さんが10箇所の学校を回って健康教育を実施しています。
 保健指導員のアズバさんは、MRSで10年活躍する大ベテラン。この日は、昨年、今年と新しくエルサレム側で保健指導員としてMRSに加わった2人と、西岸・アイザリヤの女子中・高等学校で行われているアズバさんの授業を見に行きました。アイザリヤはエルサレムのすぐ東側なのですが、エルサレムとの間には2004年に分離壁が建設され、エルサレムから隔離されてしまいました。彼女は現在、アイザリヤにあるこの学校に週に一度通っています。この日は、栄養について、また早婚についてなどの授業が行われていました。西岸の公立校では、保健省による健康診断は行われますが、保健教育などはカバーされていないのです。

広く新しい学校。校舎はコの字になっていて広々としている広く新しい学校。校舎はコの字になっていて広々としている

 この学校には、7年生(中学1年生)からタウジヒ年(高校卒業試験に当たる年)までの540人(18クラス)の女の子が通っています。この地域の子どもの数が増え、教室数が足りなくなったために4、5年前に新しくできた公立校です。学費は年間50〜70シェケル(1,500〜2,100円 ※学年によって変わる)と、これは東エルサレム内の公立校と同じです(※東エルサレムでは、パレスチナ政府の公立校ではなく、ワクフといわれるイスラムの公共・慈善組織の管轄にあります)。しかし、学校の様子は全く違います。この学校の広く新しい建物と校庭はとてもきれいに保たれていて、子どもたちがのびのびと勉強していける環境であることがわかります。それに比べて、東エルサレムの多くの公立校は、建物が古かったり、教室数が足りないために2シフトを組まざるを得ない学校も少なくありません。子どもたちがのびのびと運動できる校庭などは、ほとんどないのです。「アッスーリ(東エルサレム)の学校は、建物がとても古く補修が必要で、教室数も足りないから、新しく立て直すための資金を集めたそうです。それなのに、イスラエル当局から再建設の許可が出ないのです」と、学校の先生は教えてくれました。

MRSの3人の保健指導員とJVC藤屋MRSの3人の保健指導員とJVC藤屋

健康教育が終わった後、MRSの医師と保健指導員の皆で会議を行いました。「教えるのが難しい内容は?」という質問には、「思春期の体の変化について。特に男の子たちに教えるのは、とても難しい。逆に女の子たちには人気がある授業。皆興味深く聞いている」という答えが返ってきました。また、東エルサレムでは子どもたちの集中力を保つのが大変なこと、今日の授業を見ていたら、西岸の子どもたちは皆授業にしっかり参加していること、など東エルサレムと西岸の子どもたちの様子の違いを教えてくれました。これは私も感じることです。MRSのラムジー先生も、「東エルサレム、特に中学、高校の子どもたちは、家も貧困で学校が終わった後に働かなければならない子どももいる。学校を中退して働く子どももいるんだ。また、東エルサレムで急速に広がっている麻薬等の問題、家庭内暴力などの問題も、思春期の子どもたちに大きな影響を与えている」と言います。生活環境とともに、学校という学ぶ環境の違いは、子どもたちの勉強に対する姿勢にも影響するのでしょう。東エルサレムで働く新人の保健指導員さんたちには大きなチャレンジになりますが、頑張っていってもらいたいと思います。

 隣接する小学校から元気一杯に飛び出てきた子どもたち 隣接する小学校から元気一杯に飛び出てきた子どもたち

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